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第12回スーパーダッシュ小説新人賞 優秀賞:つくも神は青春をもてなさんと欲す/慶野由志

付喪神は青春をもてなさんと欲す (193x290)
プロローグ いつもの
1.ふこうもの
2.つくもの
3.あばれもの
4.あらゆるもの
エピローグ しあわせもの

answer.――― 65 点
スーパーダッシュ小説新人賞の受賞作は、概して頁数が多い。おそらく応募規定の枚数(文字数)が他の公募賞より幅広く採られているからだと思うが、それが書き手にとっては都合が良くとも、読み手にとっては必ずしも歓迎されることに繋がるとはかぎらない。頁数が多いということは、それだけ集中力を強いるからだ。ついでに言ってしまえば、値段も上がる。ライトノベルはティーンのためのジャンルと考えれば、少ないお小遣いから面白いかも定かでない無名の作品へ《無駄》に投資したくはないもの。大人になってしまうと忘れがちになる50円、100円の差は、いつの時代でも確実に反映される。と置いて、近年で指折りに目を引くゴールドな表紙の本作『つくも神は青春をもてなさんと欲す』。その概要は、幼女な付喪神とともに、「他人に不幸を撒く力」を持つクラスメイト(♀)を救う奮闘劇。一読の印象は、とにかく勿体無いに尽きる。巻き込まれ属性の真面目系主人公、ノリの良い女友達、奇天烈変態な男友達というラブコメ配置の日常に骨董(の妖精)という風流なオリジナリティを挿してくるセンスなど実に期待させてくれるが、如何せん、「長い」。文字が多過ぎる。なかなかに「読ませる」一人称だが、場面内容の割に冗長で読み疲れてしまう。付喪神「つくも」の投入によって話が動かずとも楽しめる、いわゆる「雰囲気」を楽しめる「非」日常を整えたのだから、そこに重点を置くシンプルな文章、演出を心掛けるべきだったと思う。メインヒロインの問題解決に力を注ぎ過ぎちゃったね。本作の《正解》は、マスコット「つくも」の問題を提示して、そのついでにメインヒロインの問題を解決する玉突きな展開だったと思う。当然、戦闘場面も要らない。頁をめくれば期待せざるを得ない、しかし口惜しさが何よりも残ってしまう一作。

第12回スーパーダッシュ小説新人賞 優秀賞:つくも神は青春をもてなさんと欲す/慶野由志

category: か行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞(佳作) OPEN 60点 慶野由志

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