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第12回スーパーダッシュ小説新人賞 優秀賞:代償のギルタオン/神高槍矢

代償のギルタオン (202x290)
(あらすじ)
『代償』を支払うことで、特殊な力を発揮する巨大人型兵器ギルタオン。世界は、この呪われた兵器によって、戦争への扉を開くことになった。主人公ライクたちは豊かで安全な生活を求め、汽車で首都ランフェルドへと向かうことにしたが、……。

answer.――― 75 点
スーパーダッシュ文庫改めダッシュエックス文庫の“ファンタジスタ”として君臨する山形石雄より「新人とは思えない完成度の高い作品」とテンプレートな高評価を授かり、実際、発売されて間もなく界隈で評判となった本作『代償のギルダオン』。その題材は、表題に採用されている巨大人型兵器「ギルタオン」なるロボットもの。ドラマを生む核となる設定は、ギルタオンの操縦には代償を求められること。その《代償》がまた、……エグい!ある者は視覚を、ある者は味覚を、ある者は四肢を失う。中二病罹患者垂涎なサディズムに満ちており、ロボットとの掛け合わせでオリジナリティーを薫らせる。ストーリーとしても終わりの見えない戦争下、弱者も弱者な姉弟たちの決死の逃亡劇となる冒頭から常時「悲しいけどこれ戦争なのよね」が軍人中心の登場人物たちより押しつけられ、バッドエンドの予感がどこまで頁をめくっても拭えない。こうなってくると、読み手の関心は(……コイツ、マジでやり切る気か?)と著者へのある種の期待と不安に包まれてくるが、本作、―――やってくれます。終盤の際(きわ)、夢を見つけたばかりのミコの「決意」の行動を目の当りにすれば、完成度の高い作品、というテンプレな言及も納得することでしょう。ボリュームたっぷりの頁数ながら、多数の登場人物を書き分けるキャラクターメイク、襲撃に次ぐ襲撃の展開で飽きさせない工夫を施す。視点人物が何度も変わるのは賛否の分かれるところだろうが、ギルタオンに載るまで、というシンプル過ぎるストーリーラインを考えると、そうでもしないと間が持たない事情は汲めなくもない。何にせよ、バッドエンド好きを標榜するライトノベラーにはオススメの一作。すでにリニューアルされて久しいが、スーパーダッシュ小説新人賞の受賞作では久々の拾い物でした。

第12回スーパーダッシュ小説新人賞 優秀賞:代償のギルタオン/神高槍矢

category: か行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞(佳作) OPEN 70点 神高槍矢

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