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第9回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:石鹸オペラ/清野かほり

石鹸オペラ
(あらすじ)
「あたしは自分で自分を売り飛ばしたの」。そんな強気な言葉を吐きながら、自分に対する戸惑いは隠せない歌舞伎町のソープランドで働く利夏。彼女を目あてに訪れる客はオヤジ、ヤクザ、オタク、高校生。私生活で付きあう男はハーフの遊び人。その危い生活のツケは突然やってきた。

answer.――― 70 点
《風俗》を題材にした作品はそれだけで手堅いエンターテイメントになりうるが、ストーリーはもちろん、作中で披露される(豆)知識まで似通ってしまうのが扱う際の難しいところ。本作もまた、ヒロインである風俗嬢がHIVの感染が疑われる事態に見舞われ、自分と関係を持った客たちを追うストーリーライン。その展開は既視感漂い、実際、読み終えてみても結末に充足感、感銘の類は受けられない。ながらに、やはり《風俗》題材ならではというか、そこそこにスパイシーなのは否定出来ないところ。とりあえず、ヒロインの紹介も踏まえて用意された「客」たちが魅力的だ。常連客の一人であるヲタクのコミュ障具合は、著者のヲタクへの悪意さえ感じる迫真のコミュ障具合で、その射精の過程はある種のスペクタル。本作の個人的なハイライトに挙げさせて頂きたい。飛び込みの「客」である少年をキーパーソンに、起承転結を構成。書き手として実に丁寧な印象を受けたが、如何せん、読み手は己の想像を常に上回って欲しいもの。たとえばヒロインが口淫中毒といった設定をつけると、新しい場面、展開も生まれたと思う。主要登場人物たちが、「まとも」過ぎた。丁寧、しかし、それ以上の感想は出にくい作品。

第9回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:石鹸オペラ/清野かほり

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 清野かほり 小説新潮長編小説新人賞

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