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第11回本屋大賞 8位:想像ラジオ/いとうせいこう

想像ラジオ (199x290)
(あらすじ)
深夜二時四十六分。海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聴こえるという、ラジオ番組のオンエアを始めたDJアーク。その理由は……。

answer.――― 70 点
「自分が書いたというより、自分はこの小説の入れ物として机の前に座っていたという気がします。」なるコメントが示すように、「奇才」いとうせいこうが『去勢訓練』から16年のブランクを経て、唐突に書き上げた“3.11”にまつわる連作短編。先に断わっておけば、本作は内容それ自体を楽しむものではなく、「いとうせいこう」という才人の衝動を目撃するためのもので、ここを履き違えると、散財、時間の浪費となってしまうので注意が必要だと思う。耳を澄ませば聴こえてくる―――どこからともなく届けられるラジオから幕は開ける。アマチュアが一人でDJを気取り、筋道なく進行していく様は妙があるにしても、やはり面白いものではない。頁をめくっていけば、早々に“3.11”が関わってくることが解かる。そこから好意的にまとめれば、ハートフルな物語、となるが、そんなものを求めるなら、それこそ“3.11”のドキュメンタリー番組や写真展のほうが質高く、記憶にも残るだろう。本作は、“いとうせいこう”が書いたことに意味がある。彼は間違いなく才人であり、稀に見る衝動的な人物だ。衝動は本来「形」を残さない。しかし、ここには(才人の)衝動が刻まれているのが本作の価値を何よりも高めている。ただ、“いとうせいこう”を知らないと、その価値が解からないのが本作最大の難点。なので、本作を読むならば、まず“いとうせいこう”を知りましょう。作品単品で価値を量るなら単なる凡作となってしまいます。

第11回本屋大賞 8位:想像ラジオ/いとうせいこう

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 いとうせいこう 本屋大賞

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