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第13回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:ファーレンハイト9999/朝倉勲

ファーレンハイト9999 (205x290)
(あらすじ)
アニメ、漫画、ゲーム、ラノベ、フィギュア―――すべてが規制の対象となった現代。警視庁に新設された“オタクを取り締まる機関”焚書課の高校生捜査官・維刀臥人は、中学生の先輩・奏手イリナとともに違反者を検挙し続けていた。だが、隠れオタクである臥人はその裏で規制に反逆する白亜の聖堂騎士・エルガットとして単身政府に抵抗していた!?

answer.――― 56 点
ヲタクが断罪される日本が舞台―――高校生の主人公(♂)はヲタクを取り締まる職に就きながら、ヲタク文化を愛好する背徳者であり、時にアンチヒーローとなってヲタクの取り締まりを妨害する構図。とりあえず、著者に提示したいのは『鏡』である。生まれついての書き手などいない。誰しも読み手からそのキャリアは始まる。しかし奇妙なことに読み手から書き手に回ったとき、自分が見えなくなってしまう―――自分がどんなものを書いているのか、自覚せず脱稿してしまうことが間々ある。そんな時のために、『鏡』が求められる。百の批評より一つの『鏡』―――「えー?俺の作品ってこんなのなの?……冗談でしょ?www」と、映るのは残酷なまでの現実である。注意事項として、『鏡』は貴方の身内に用意させてはいけない。貴方を無駄に傷つけまいと手心を加えられてしまうからだ。という訳で、関わりのない第三者である私が著者に『鏡』としてお薦めしたいのが、―――と続けたかったのだが、適当なのが思い浮かばなかった。ヲタクが迫害されるコミカルな世界に訪れる謎の美女、大規模なジェノサイドを予告されるミステリアスな進行、辿り着く俺TUEEEE!な大活劇!これが本作の展開だが、この《コミカルな世界》設定からすでに(……面白い)じゃなくて(……このまま読んで大丈夫か?)と齟齬が書き手と読み手の間に生まれている。「核兵器」という作中のスケールを考えると、トンデモな爆弾を導入しているところは買えるが、ラストのどんでん返しは『空色パンデミック1』のようなスマートなイメージならば、実際は『繰り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット』のような、結婚式に「努力は必ず報われる!」と刺繍された特攻服で列席する仕上がりなので、その辺はしっかりイメージを修正しておきましょう。地力はありそうなので、著者には変化球な作風でなく、もっとストレートな作品を作って頂きたい。

第13回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:ファーレンハイト9999/朝倉勲

category: あ行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞大賞 OPEN 50点 朝倉勲

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