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第3回ラノベ好き書店員大賞 6位:クロックワーク・プラネット/榎宮祐&暇奈椿

クロックワーク・プラネット (206x290)
(あらすじ)
落ちこぼれの高校生・見浦ナオトの家に、ある日突然黒い箱が墜落する。中にいたのは自動人形の少女リューズ。作り変えられた世界と変われない人類。理想と現実が悲鳴をあげる時、二つの出逢いが運命の歯車を回す!

answer.――― 70 点
たとえば村上春樹の作品を《文学》の軒に並べたくない人の論拠に「登場人物の台詞を日常で見掛けることがない」なる言があるように、《文学》とは《人間》を描くもの―――ある種のリアリティーを求めるジャンルだと思うが、ライトノベルではその逆、人非ざる《キャラクター》の伸長を追及している節がある。つまり、「登場人物の台詞が日常からかけ離れている」ほど喝采を浴びるのである。勿論、これは極端な解釈には違いないが、少なくともモブにビール瓶で殴られて台詞無く即死するような《人間》はライトノベルに登場してはいけないのである。さて、本作は『ノーゲーム・ノーライフ』で名を上げた榎宮祐が暇奈椿との「合作」という珍しい形式でリリースしたライトノベル。ストーリーラインは、寿命を迎えた地球を舞台に、落ちこぼれの高校生が超級の自動人形を手に入れたことで、進化の止まった人類に希望が……!というSF風味のもの。一読の印象は、画が視える、と表現したくなるキャラクターを全面に押し出してくる作風。画が視える、というのは描写が細緻で秀逸という意味ではない。むしろ、描写は他のライトノベル作品と比して少ない方だろう。が、文字量それ自体は比較的多い。このギャップの正体は、自動人形リューズの徹底したSなキャラクター台詞や“時計仕掛けの惑星”というコンセプトに合わせたポエミーな地の文にある。画が視える、それは表紙やイラストからの(イメージの)刷り込みを有効に活かした跡だ。本作にはおよそ《人間》がいない。故に、これがライトノベルだ!と押しつけられれば、腑に落ちてしまう部分がある。『ノーゲーム・ノーライフ』と実質、内容は変わらないが、共作者の分だけ作品の世界観が前に出てくるので、そこは+に。ただ、「これを読ませたいならエロゲー(ヴィジュアルノベル)にしてくれ」と要求したくなるあたり、もしかすると榎宮祐の作品を楽しむにはモダンな感性が要るのかもしれない。

第3回ラノベ好き書店員大賞 6位:クロックワーク・プラネット/榎宮祐&暇奈椿

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 榎宮祐 ラノベ好き書店員大賞

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