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第13回本屋大賞 4位:永い言い訳/西川美和

永い言い訳 (201x290)
(あらすじ)
人気作家の衣笠幸夫は、突然のバス事故により、長年連れ添った妻を失うが、妻の間にはすでに愛情と呼べるようなものは存在せず、妻を亡くして悲しみにくれる夫を演じることしかできなかった。そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会い、……。

answer.――― 70 点
2016年、自らメガホンを取っての本作の映画化が決定したように、小説家と云うより映画監督として知名度高い西川美和の久方振りの長編小説。その概要は、妻を交通事故で亡くした男が、同じ事故で母親失った一家と触れ合い、初めて妻と向き合う、というもの。もっと端的に言ってしまえば、他人事から身内の不幸と自覚するまで―――「泣く」までのストーリーライン。文章は脚本まがいのソレを想像していると、過去作で三島由紀夫賞にノミネートされたように《文学》作品と提示されても違和感のない能弁な筆に驚くものの、……上述の通り、本作は「泣く」までのドキュメント。そこに説得力を持たせるために、悲しむ妻の親友の遺族、不倫相手やらを投入し、その上でも冷めたままの主人公の心情を淡々と綴っていくわけだが、これはやはり《小説》ではなく《映画》なのだと思う。文字の上でのエンターテイメントの要素が少な過ぎる。主人公が人気作家ならば自作&他作の批評、書き方のコツ、書き出しの悩み、独自の取材方法などの「作家」面の《知識》にもなり得るものを提示して欲しいし、不倫相手が編集者ならば主人公の「作家」面をもっとアピールして欲しい。結局、本作で見たいのは「画」だ。“演じている”と自覚している主人公の表情の機微を愉しみたい。本でそれを読もうとすると、表題の通り、ひたすらに「永い」。未読の方はそのまま手に取らず、「映画」で本作を愉しみましょう。

第13回本屋大賞 4位:永い言い訳/西川美和

category: な行の作家

tag: OPEN 70点 西川美和 本屋大賞

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