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第20回電撃小説大賞 銀賞:王手桂香取り!/青葉優一

王手桂香取り!
(あらすじ)
三度の飯より将棋好きの中学一年・上条歩が秘かに憧れる人は同じ将棋クラブの主将・大橋桂香先輩。そんな歩のもとに「私たちは、将棋の駒だ」と突如美少女たちが現れる。そ人知を超えた将棋の強さをそなえる彼女たちの指導のもと、歩は棋力をめきめき上げていく。

answer.――― 70 点
将棋の駒の化身が現れ、少年を強き棋士へと導く!というアイディアからも漫画『ヒカルの碁』をそのまま彷彿させる《将棋》を題材にした作品。ライトノベルにかぎらずだが、売上の多寡を《キャラクター》がとりあえず握る昨今、巨乳姉御肌の「香車」、和装しとやかな「歩」、上からの西洋貴族令嬢な「桂馬」と駒の化身たちを総じて女性化したのが、先の漫画からのライトノベルらしいアレンジ。「桂馬をちゃんと有効に使わないからよ!」と内容自体もなかなかに本格的で、(二流とはいえ)プロ棋士を早々に打倒するなんて「大」イベントを前半で消化しての、《横歩》をキーワードにした終盤の一戦は、相手方のBUMP!な気概含めて素直に〇を打てる出来。丁寧な筆致で、巷の評判通り、いわゆる《良作》に数えられることに何ら異論ない。がしかし、どうにも手放しで褒められないのは、素直で受け身な主人公、そして、良くも悪くも破綻の無い展開からか。本作、結局、真っ当に将棋の話であり、駒の化身たちもそんな「設定」を取り払えばファンタジー要素0の年上の女師匠に過ぎない。ライトノベルというティーンが手に取るジャンルで出版するのだから、もっと《キャラクター》を押し出す演出―――それこそ化身たちの『日常』、各々のパーソナルな『過去』、現代に対する好奇心を描く、そんな「寄り道」があって然るべきだったと思う。著者的には巻数を重ねて《キャラクター》化していく意図があったんだろうが、……時勢を見誤ったかな?この辺、大評判の後発の将棋ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』(未読)が答えを出してくれているでしょう。個人的には主人公の想い人“ザ・優等生”な桂香部長が優等生として100点満点に描けているだけに大化けが期待出来て◎のキャラクターメイキングでした。なお、《将棋》題材というと大衆小説ですが、『盤上のアルファ』が快作でしたので未読の方はオススメです。

第20回電撃小説大賞 銀賞:王手桂香取り!/青葉優一

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 70点 青葉優一

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