ナマクラ!Reviews

03/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./05

第10回本屋大賞 9位:百年法/山田宗樹

百年法 (205x290)
(あらすじ)
6発の原爆が投下され終戦を迎えた日本で、ある法律が制定された。通称「百年法」。新技術で不老を与えるかわりに、100年後に死ななければならないというが!?

answer.――― 74 点
「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」とは英国の名相ウィンストン・チャーチルの言だが、実際、先日の国民投票によるEUからの英国脱退―――Brexitはものの見事に衆愚を見せつけてくれただけに、兎角、大衆はその場の情動で奈落へ落ちていくことを再認識した次第。本作はそんな現代の問題を先読みしたか、《国民投票》をキーワードに社会の混乱を描いたSFな一作。「原爆を六発落とされた日本」「不老技術により“永遠の若さ”を手に入れた日本国民」「世代交代のための“生存制限法”による死の強制」と、その舞台、敷かれた設定はスケール大きく目を惹く。が、何と言っても不老からもたらされる経済衰退、少子化の解決を図る死の強制の是非を問う国民投票は作中世界の解かり易い分岐点で、そこを目の当たりにすれば本作が稀に見る大作であることを実感出来る。同時に、その分岐点に辿り着くまでが読み手へ強いられる試練となる。文庫本で「上」「下」巻の構成で、事実上、「上」巻まるまる一冊が登場人物を介しての社会紹介となっている。読み手をその社会の一員に浸透させたい意図は解かるが、流石に退屈だ。しかしながら、最後まで《国民投票》が活かされる仕掛けは大掛かりで楽しめるのは間違いないところ。大作、大歓迎!なプログレッシヴな方はどうぞ。

第10回本屋大賞 9位:百年法/山田宗樹

category: や行の作家

tag: OPEN 70点 山田宗樹 本屋大賞

[edit]

page top

« 第1回小説すばる新人賞 受賞作:川の声/山本修一  |  第22回電撃小説大賞 大賞:ただ、それだけでよかったんです/松村涼哉 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/1239-47a5ba23
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top