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第2回小説すばる新人賞 受賞作:ゴッド・ブレイス物語/花村萬月

ゴッドブレイス物語 (201x290)
1.ゴッド・ブレイス物語
2.タチカワベース・ドラッグスター

answer.――― 30 点
時折り、私は本作を薦めることがある―――「鼻毛が出ている」小説として。勿論、作中の登場人物の誰それの鼻毛が出ているわけではないし、著者のたとえば顔写真が載っていて、そこで鼻毛を確認出来るわけでもない。あくまで「鼻毛が出ている」とは比喩である。女性Vo.が看板のバンド「ゴッド・ブレイス」が遠征した先で仲違いを起こした末にステージへ立つ、というストーリライン。奔放なヒロイン、雑然とした喧騒持つ世界から著者の個性がデビュー作である本作から刻まれているのが読み取れ、これが成熟して後に『皆月』で吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で芥川龍之介賞を受賞したのが分かる。が、すらすら読める!なんて評も見かける文章は単純に拙いだけで、金を払うに値しない。《花村萬月の処女作を読む》という強い目的でも持たないかぎり、本作を手に取っても散財、そして、時間の無駄になってしまうだろう。読み逃すが吉、だ。さて、肝心の「鼻毛が出ている」だが、これは何を比喩しているかといえば、執筆中の著者である。作家にかぎらず、作り手は「見ろや、この筋肉ー!」とモスト・マスキュラーする瞬間(場面)がある。本作中でそれは間違いなく終盤も終盤、歌詞(ポエム)を載せちゃうライヴだろう。ここで花村萬月が(さあ、はち切れよ!!)とばかりに「見ろや、この筋肉ー!(俺、凄いだろー!)」と血管浮き出しポーズを決めている、……鼻毛が出ていることも気づかず。誰しも鼻毛が出ているなんて思いもしないものだ、特に自分が一番格好良い瞬間に。本作は「鏡」になりうる。その一点のみに本作の価値がある。表題作の他、短編『タチカワベース・ドラッグスター』収録。

第2回小説すばる新人賞 受賞作:ゴッド・ブレイス物語/花村萬月

category: は行の作家

tag: OPEN 30点 小説すばる新人賞 花村萬月

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