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第6回小説すばる新人賞 受賞作:天使の卵 エンジェルス・エッグ/村山由佳

天使の卵 (203x290)

answer.――― 70 点
第6回小説すばる新人賞を受賞した村山由佳、初期の恋愛小説。その概要は、美大志望の予備校生が恋人がいるにもかかわらず、心奪われた相手は恋人の姉だった!というもの。時機を得てミリオンセラーとなった本作だが、いざ目を通してみても、特段の感想は浮かばず―――が、それは私個人だけでなく、多くの人にとっても同じなのかもしれないのは、本作への五木寛之の選考評「よくこれだけ凡庸さに徹することができると感嘆させられるほどだが、ひょっとすると、そこがこの作家の或る才能かもしれないのだ」に象徴されるところ。そう、本作はストーリー、そして、その展開を含め、著者へおよそ才能を感じることの難しい、紛うことなき凡作なのである。そのため、文庫本での選考委員たちの歯切れの悪い解説(選考評)こそがもっとも読み応えのあるものとなっている。というのも、各人が上述のように「凡庸」と舌打ちしているにもかかわらず、受賞させざるを得ないのは村山由佳の《文章力》の高さに他ならない。個性的な書き口で(面白げに)魅せる「巧さ」ではなく、村山由佳は真っ当に「巧い」のである。悪文無き、特徴の無き「巧さ」は罪だ。書き手である以上、自分より「巧い」と貶せない。とどのつまり、村山由佳は選考委員たちよりも「巧かった」のである。

第6回小説すばる新人賞 受賞作:天使の卵 エンジェルス・エッグ/村山由佳

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 村山由佳 小説すばる新人賞

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