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第7回小説すばる新人賞 受賞作:恋人といっしょになるでしょう/上野歩

恋人といっしょになるでしょう (201x290)
(あらすじ)
浅草にある玩具月報社に勤める“僕”と儚げな“彼女”。揺れる心が愛に変わる時、僕たちは同じ月を見ていた。

answer.――― 70 点
友人に純文学の書き方を訊いたとき、人に読ませようと思って書かないこと、という答えが返ってきて半ば感心したことがあったが、その大前提の上で「読ませる」工夫が出来ていると、その他大勢から抜け出せるのだろう。さて、本作は、斜陽企業に就職した行き当たりばったりの主人公(♂)が既婚者(♀)に惹かれ、仕事に精を出し、―――というストーリーライン。主人公が学生時代に消化した小説、映画等の固有名詞を地の文にまぶした《お洒落》な作風で、そこを踏まえての特段の起伏見られない展開に、人によっては《文学》の薫りを嗅ぎ取ってしまうかもしれない。が、著者は固有名詞を《記号》的に配しているように、読み手の目を多分に意識しているので、本作が大衆小説なのは間違いないところ。仮に《文学》の薫りを嗅ぎ取ってしまったならば、きっと「文学=文章の機微」程度に文学を解釈してしまっているので認識を改めたほうがいいだろう。しかし、―――お洒落だ。著者の引き出しの豊富さは「買える」。テレホンショッキングのカラクリを流用しての営業は個人的な作中のハイライト。現実の営業でも実践的に使えるのが素晴らしい。隣人マリーを正ヒロインへ配役しなかった悪手が目に余るものの、読めば知らず己のセンスを磨ける一作。

第7回小説すばる新人賞 受賞作:恋人といっしょになるでしょう/上野歩

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 上野歩 小説すばる新人賞

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