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第11回小説すばる新人賞 受賞作:走るジイサン/池永陽

走るジイサン_0001 (194x290)
(あらすじ)
単調な毎日を送っていた作治。だが、同居する嫁に疼くような愛しさを覚えた頃から、頭上に猿があらわれて……。老いの哀しみと滑稽さを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作。

answer.――― 66 点
ある日、突然、頭に猿が乗っていた―――というシュールな設定で描かれる枯れた人生、その周りの若人たちの悩み。詰まる/詰まらないという評価軸で判断してしまうと、決して詰まるほうの内容ではないのは、あらすじからも察せるところ。本作の読みどころは、本作出版時点で五十路に差し掛かろうとしていた著者の視点。それは息子の嫁に仄かな劣情を抱いたり、己の職業経験から相手の隠れた心情を察するなど、エンタメとして描かれること少ない「枯れた」視点である。鋳物職人であった主人公の、明ちゃんの絵に用いられた「赤」の変化を静かに見抜く場面は、「老人」設定を生かした象徴的な演出。この手の場面をもっと増やせれば、「枯れた」視点も捨てたものでもないのが解る……が、如何せん、その手の演出は少ないので、積極的に推せません。

第11回小説すばる新人賞 受賞作:走るジイサン/池永陽

category: あ行の作家

tag: OPEN 60点 池永陽 小説すばる新人賞

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