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第11回小説すばる新人賞 受賞作:パンの鳴る海、緋の舞う空/野中ともそ

パンの鳴る海、緋の舞う空
(あらすじ)
心に傷を抱えた男女の、切なく激情的な恋。恋人に失踪されたマヤは、愛することができなくなっていた。だが、友達募集の新聞広告でグレゴリーと出会って……熱情に揺れる南国の恋物語。

answer.――― 60 点
ブログ、そのプロフィールを開けば「作家」「イラストレーター」「翻訳家」と自らを紹介するように、多方面で活躍中の野中ともその《小説家》としてのデビュー作。その概要は、ニューヨークを舞台に、トリニダード・トバゴで再会を誓った男女の恋の行く末。一読してストーリーに必要な描写が少なく、本作が登場人物を含めた作品世界の《お洒落さ》に重点を置いているのが分かる。その点で先日の『恋人といっしょになるでしょう』とセールスポイントが近似と云えるが、同作が主人公「自身(趣味)」に《お洒落》を施していくのとは対照的に、本作は登場人物「自身」ではなく、その「周囲(環境)」に《お洒落》の焦点を当てていくのが特徴。舞台はニューヨーク、約束の地はトリニダード・トバゴ、黒人、日本人、クラブ、パーティー、スティール・パン―――そんな具合である。正味、(……都会の孤独は哀しいぜ、ベイベー)といった陶酔的な《お洒落さ》を求める心境でないと読み物としては退屈で、読み手を確実に選ぶ作品。個人的に、著者にはイラストレーターとしての才覚のほうが世間的な需要がある気がするが、その方面の方からすれば、著者は作家業のほうが向いているように見えるのか気になるところです。

第11回小説すばる新人賞 受賞作:パンの鳴る海、緋の舞う空/野中ともそ

category: な行の作家

tag: OPEN 60点 野中ともそ 小説すばる新人賞

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