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第12回小説すばる新人賞 受賞作:粗忽拳銃/竹内真

粗忽拳銃 (204x290)
(あらすじ)
前座噺家、自主映画監督、貧乏役者、見習いライター。夢を追う4人の若者たちが、本物の拳銃を拾ったことからすべては始まった!

answer.――― 73 点
「荒野の賢者」とは私のフェイバリット・ライトノベル『ロードス島伝説』の登場人物ウォートだが、この「荒野の〇×」というフレーズは思春期に根づいたためか、世間を見渡しているとよく当てはめてしまう。《荒野》とはすなわち誰も寄りつかない場所である。なので、売れてない(知名度低い)と「荒野にいるねえ」と、私はひっそりと思い、そして、時たまつぶやく。さて、ここに荒野の作家が一人―――本作の概要は、芽が出ない文化系の仲良し4人組が実弾入りの拳銃を拾い、事件に巻き込まれるのか!?と怯える、というもの。荒野の作家、万人にとって本作の著者がそれに該当するかはともかく、一読して著者が《職業作家》として数年は見通しがつく印象を受けた。というのも、単純に「巧い」のである。真打ちに上がれない噺家の主人公の《日常》を描いていくなかで、拾った拳銃が違和感となるも、何か起こるわけでもなく……。起伏の無い展開と切ってしまえるが、本作を拳銃を拾った話ではなくあくまで噺家としての成長譚として見ると、拳銃によって起こる終盤の「乱戦」は見事なサービスシーンとなる。本作は詰まるところ、(読み手の期待する)先読みした展開との乖離が欠陥となっている作品。ラストの「粗忽拳銃」の一席は上等の出来なのが、また勿体無い。需要さえ見誤らなければ、好きなものを好きなように書いても読み手に届くでしょう。

第12回小説すばる新人賞 受賞作:粗忽拳銃/竹内真

category: た行の作家

tag: OPEN 70点 竹内真 小説すばる新人賞

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