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第15回小説すばる新人賞 受賞作:プリズムの夏/関口尚

プリズムの夏 (204x290)
(あらすじ)
海辺の町。高校生のぼく・植野と親友の話題は、寂れた映画館の美しく無愛想な受付嬢・松下菜那のことだった。憧れと現実、情熱と挫折、そして……。

answer.――― 66 点
高校生二人が恋した映画館の受付嬢は、《メンヘラ》だった!という雑な紹介ではコメディになってしまうが、概要としてはまったく間違っていない本作『プリズムの夏』。コメディでなければ何なのかといえば、このままでは自殺しかねない初恋の人を二人で一生懸命「助け」に向かう、真っ当にシリアスな青春譚。しかし今現在に目を通してしまうと、やはりコメディとして扱いたくなるのは、出版から十余年を経て、《メンヘラ》なるネットスラングが定着してしまったからだろう。そう、受付嬢は鬱屈とした日々、投げやりな日々をウェブで綴っているのである。それを偶然閲覧&観察し、二人は仲違いしつつも駆け出すのだ。私生活を公開することが当たり前になり始めた頃―――それを捉えた、ある種の先駆け的な作品としての価値が第15回小説すばる新人賞受賞という評価に繋がったのだと思う。そんなドキュメント性に《文学》を見い出してみても良いのではないでしょうか?なお、鬱な女子をお望みならば、王道で古井由吉の『杳子・妻隠』収録の「杳子」を未読の方は押さえておきましょう。杳子を鬱な女子の基準にすると、質の高低の精度が高くなると思います。

第15回小説すばる新人賞 受賞作:プリズムの夏/関口尚

category: さ行の作家

tag: OPEN 60点 関口尚 小説すばる新人賞

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