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第25回小説すばる新人賞 受賞作:赤と白/櫛木理宇

赤と白 (206x290)
(あらすじ)
冬はどこまでも白い雪が降り積もり、重い灰白色の雲に覆われる町に暮らす高校生の小柚子と弥子。同級生たちの前では明るく振舞う陰で、二人はそれぞれが周囲には打ち明けられない家庭の事情を抱えていた。そんな折、小学生の頃に転校していった友人の京香が現れ、日常がより一層の閉塞感を帯びていく。

answer.――― 69 点
雪国・新潟を舞台に、ボタンの掛け違えから女性特有の共同感覚的な友情が崩れ、バッドエンドへと突き進んでいく本作『赤と白』。失望、嫉妬、背徳……と、登場人物たちがそれぞれの形で抱く疑心は堂に入ったもので、そこへ過食症、ストーキングといった狂気垣間見させる設定をつけ、読み手へ何かが起こる予感(不安)をしっかりと与えてくれる。著者のデビュー作であり、シリーズにもなっている『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しているように、上述の予感は《ホラー》のそれに近い。もっとも、本作のエンタメの核は《人間関係の歪み》といったところだが、読み手にどんな感想を抱かせたかったのかが曖昧なのが残念なところ。用意したキャラクター、イベントは相応だったと思うが、《人間》へ迫りたかったのだとしたら大味過ぎる。ついでに、大衆小説でそこを目指してしまうと、退屈へ到ってしまう。本作に足りないのは、ズバリHero(Heroine)。それを確立させるだけで「あーあ……」で終わってしまう結末にあっても、意志ある何者かがスタートを切ったことでしょう。

第25回小説すばる新人賞 受賞作:赤と白/櫛木理宇

category: か行の作家

tag: OPEN 60点 櫛木理宇 小説すばる新人賞

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