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第11回スニーカー大賞 奨励賞:時載りリンネ! 1 はじまりの本/清野静

時載り
ふと西瓜を食べるのをやめ、リンネがぽつりと言った。
「わくわくする大冒険がしてみたいな。物語みたいな。悪党に狙われて困っている女の子を颯爽と救うような話が理想ね。日常の中のふとしたできごとから幕を開けて、しだいに謎が膨らんでいく不思議な展開、中盤はミステリーあり、活劇あり、友情ありの総天然色の大冒険よ。お待ちかねのクライマックスには悪党をやっつけて、もちろん最後は奇麗な大団円を迎えるの。すべてが終わったあと、前よりも少しだけ世界が輝いて見えたら素敵よね!」

answer.――― 64 点

200万字の本を読むことでたった1秒だけ時を止めることが出来る“時載り"リンネが上記の通り、西瓜を食べるのをやめ、ぽつりと言ったような物語を期待していると、……若干裏切られた感が否めない本作。一読して気づくことは、著者の筆力がライトノベルではなく、翻訳小説から培われたこと。特に登場人物の描写にそれが顕著で、外見よりもその服装、着こなしに焦点を強く当てている。時折り、作中で挟まれる実在する作家の名前や小説を挙げていくところにも、翻訳小説からの影響を感じられるだろう。格調高い書き口には、読者にある種の心地良さのようなものを与えてくれるのは間違いない。冒頭からしばらく続く良質な一夏の冒険、良質なジュブナイルな展開には実際、舌鼓を打たせてもらった―――だけに、中盤、終盤の戦闘中心の構成にはガックリ。1秒だけ時を止める、というギャンブルな設定も、ここまで真面目な戦闘になると明らかに期待ハズレな結果に転がってしまった。各レヴューサイトでの評価が高いので、読み違えた部分があるのかもしれないが、個人的には序盤で薫らせていた恩田陸的なジュブナイル路線に行って欲しかった。お洒落な作風ではある。

第11回スニーカー大賞 奨励賞:時載りリンネ! 1 はじまりの本/清野静

category: さ行の作家

tag: スニーカー大賞奨励賞 OPEN 60点 清野静

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