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第5回日本ファンタジーノベル大賞 大賞:イラハイ/佐藤哲也

イラハイ
(あらすじ)
崖の上と下に位置する二つの国サバキヤ、そして、イラハイの興亡に、婚礼の日にさらわれた花嫁を追う青年の冒険をからめて物語り、「笑い転げ、驚嘆した」と選考委員を絶賛させた斬新な天地創造譚。

answer.――― 65 点

ある日、貴方は美術館に向かいました。それは完全な思いつきで、ダレカレのナニソレを鑑賞したい!といった強い目的意識はなく、ただ漠然と「たまには芸術に親しみたい」という他人様からすれば少しばかり鼻持ちならない衝動から、貴方はこの駅前の美術館に足を運び、そして、この『泉』と題された紛れもない<男子用小便器>を美術品としてしげしげ鑑賞するに至っているわけです―――なんて冒頭からマルセル・デュシャンなたとえ話で恐縮だが、大多数の人にとって、本作が面白くないのは間違いない。だが、その大多数に含まれない一部の人たちにとって、本作はパトロンの如き拍手を送りながら、ブラーヴォ、ブラーヴォ、……とイタリア語風に称賛せしめる<作品>となっている。本作は物語を楽しむ小説ではなく、文章そのものを楽しむ小説であり、何より<作品>である。「活字中毒」と嘯く諸氏には是非ともその中毒ぶりで本作に挑み、残酷なまでに返り討ちにあって欲しい。そして、つまらない、と断じるべきだ―――(高くて固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は)常に卵側に立つMedeskiの代わりにブラーヴォ、ブラーヴォ(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ!なまじ物語を用意してしまっただけに、この手の作品にしては言葉の洗練さにやや欠ける(キャッチー過ぎる)のが残念。この辺は設定に沿ったユーモアをより著者が重視した結果だろうが……。その著者である佐藤哲也の妻は、第3回日本ファンタジーノベル大賞にて同じく大賞を受賞した大蟻食さまこと佐藤亜紀。どっちがどっちの才能に惚れたのか、実に興味深い。

第5回日本ファンタジーノベル大賞 大賞:イラハイ/佐藤哲也

category: さ行の作家

tag: 日本ファンタジーノベル大賞大賞 OPEN 60点 佐藤哲也

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