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第12回電撃小説大賞 銀賞:狼と香辛料/支倉凍砂

狼と香辛料
(あらすじ)
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが……。

answer.――― 75 点

ライトノベルを読む人なら男女問わず、これは面白い、と薦められる逸品。昨今、敬遠されがちなファンタジーにあって「戦闘」ではなく、「商い」にスポットを当てている辺りからして異色の作品だ。物語は行商人ロレンスがホロと名乗る半獣半人(神)の姿をした少女と出会い、そうして、旅をするうちに舞い込んできた「銀貨が上がる」という思い掛けない儲け話からの一騒動を描く。本作の肝である「銀貨の高騰」のトリックは読者への仕掛け方から解説の入り方まで丁寧な作りで、ライトノベルにありがちな隙(=欠陥)が無いのが嬉しい。そんな本作、二重丸印の良作なのだが、選考の結果として大賞でもなく、金賞でもなく、銀賞受賞というのはオチの弱さにある。もう一山!と期待しているところで、早々に下される作者の下山命令。ファンタジーに付きもののバトルがありきたりなのが勿体無かった。それでも電撃文庫、というよりライトノベルとしては新風とも云える商いファンタジー。銀賞の枠を飛び超えて、当然の人気シリーズとなる。ドラクエ4のトルネコ編、それを楽しめた人はきっといつまでもホロを信じられる大人になるでしょう。狼と香辛料、このタイトルもまた、本を閉じたときには心地良く響く。ホロとの旅は続くのです。

第12回電撃小説大賞 銀賞:狼と香辛料/支倉凍砂

category: は行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 70点 支倉凍砂

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コメント

初めまして。
Twitterではフォローありがとうございます。

最近ブックオフの105円コーナーで見つけて買ったばかりです。友人二人がこの作品を読んでいて「おもしろい!」という意見と「悪くないけど、そこそこ」という意見を聞きました。
Medeskiさんは75点と高めで、文章力ランキングでも上位にランクインしていますね。ドラクエ4のトルネコ編はプレイしたことがないのですが、この作品を楽しめるといいなぁと思っています。

オススメしてくださった梨木果歩『家守奇譚』もそろそろ読み始めます。

three #UdjG8aXE | URL | 2012/09/13 23:38 | edit

Re: three

コメント、有難うございます!

> 最近ブックオフの105円コーナーで見つけて買ったばかりです。友人二人がこの作品を読んでいて「おもしろい!」という意見と「悪くないけど、そこそこ」という意見を聞きました。

面白い!という意見は商いの部分でしょう。そこそこという部分は、終盤のお約束が型通りなところかな。読んで損はない、という意見が妥当というところでしょう。

> Medeskiさんは75点と高めで、文章力ランキングでも上位にランクインしていますね。ドラクエ4のトルネコ編はプレイしたことがないのですが、この作品を楽しめるといいなぁと思っています。

文章ランキングは、ほとんどの人が気づかない点を指摘すると思います。いや、気づいているかもしれないけど、どうしても「商い」の部分に目が行っちゃうと思うんですよね。この作家さんは、そこよりもとても巧いところがあるのです。それこそ他の作家とは段違いの。

> オススメしてくださった梨木果歩『家守奇譚』もそろそろ読み始めます。

散文的秀作、って感じです。是非、お楽しみください。

Medeski #- | URL | 2012/09/14 04:08 | edit
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