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第3回本屋大賞 1位:東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~/リリー・フランキー

東京タワー
(あらすじ)
1960年代。3歳のボクは、遊び人のオトンを捨てたオカンに連れられ、小倉から筑豊のオカンの実家に戻ってきた。オカンは女手ひとつでボクを育てた。オカンの作る美味しいご飯を食べて、ボクは成長した。15歳になって、ボクはこの町を出て行きたくなった。大分の美術高校に入学し、東京の美大をなんとか卒業するが、仕事もせずに、仕送りしてもらい、更に借金を重ねていた。そんな中、オカンが癌に侵されていることが分かった。

answer.――― 76 点

イラストレーター、ライター、エッセイスト、フォトグラファーに俳優、etc…とマルチタレントなのかさえ分からない謎の男リリー・フランキー。本作は彼の初の長編小説であり、200万部突破という正真正銘のベストセラーとなって、TVドラマ化、映画化、そして、舞台化と変化に変化を重ねた一作。「泣いてしまった……これは、ひらかなで書かれた聖書である」など際どく喧伝されたように、結論から言って、泣けた―――が、これは<母>を扱う作品なら当然のオプションで、読者としてはそれ以外の<Something>を求めたいところ。そういう意味で、人によっては「自伝」という要素がその<Something>に挙げられるかもしれない。リリー・フランキーへの興味の有無。それが本作を楽しむ上での隠し味になりそう。個人的に、リリー・フランキーと云えば、「おでんクン」をデザインした人程度にしか思っていなかったので、変な色眼鏡を掛けることなく読了。そんなフラットな視点から言及させてもらえば、文章と文章の繋ぎに拙い部分が目立つ。それは序盤に顕著で、制作期間「4年」という歳月を鑑みても筆が乗り切れてないのが関係しているんだろう。また、オカンへの感謝を綴る終盤こそ「オカン、愛してる!」のハートフルな展開だが、ストーリー的にはオトンが陰の主役と言っていい。というのも、「自伝」という事実を省いてしまえば、本作の内容は平均的だからだ。その点、オトンは良い。現実的にも(関わりたくないけど)面白いキャラクターだし、創作的にも謎らしい謎を孕み続けるキャラクターだ。本作は自伝だけあって、オカンを喪う間際、教訓が散りばめられている。私も経験的に「ありがとう」と「末期の水」、については思うところがある。皆さんも心に留めておいてください。

第3回本屋大賞 1位:東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~/リリー・フランキー

category: ら行の作家

tag: OPEN 70点 リリー・フランキー 本屋大賞

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