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第1回本屋大賞 2位:クライマーズ・ハイ/横山秀夫

クライマーズハイ
(あらすじ)
1985年8月12日、群馬県の地方紙・北関東新聞社の遊軍記者で、社内の登山サークル「登ろう会」メンバーの悠木和雅は、販売部の安西耿一郎とともに、県内最大の難関である谷川岳衝立岩登攀へ向かう予定だった。帰宅の準備をしているとき、社会部記者の佐山から「ジャンボが消えた」との連絡が入る。悠木は粕谷編集局長から事故関連の紙面編集を担う日航全権デスクを命ぜられる。同新聞社にとって、「大久保・連赤」以来となる大事件を抱えた悠木は、次々と重大かつ繊細な決断を迫られる。

answer.――― 77 点

「ヒューマンドラマ」という言葉から連想する<ドラマ>とは一体、どんなものだろうか?新聞のテレビ欄を見れば、そのカテゴリに振り分けられるドラマに医療関係の作品が多いことに気づく。難病に挑む医者、あるいは患者……これらの登場人物たちの姿を通して、視聴者は<人間>、そのドラマを見る。<ヒューマン>ドラマ―――そこに描かれているのは<葛藤>であり、<決断>だ。視聴者はその時、その瞬間に「人間(ヒューマン)」を見い出す。日本航空123便墜落事故を題材にした本作は、そんな「人間」を何度となく見い出す作品。もっともあらすじの通り、主人公は紙面編集の全権を担っているだけで、その事故現場に直接向かうことはない。メディアとしてのモラル、他社との競争、制作と営業、そして、社内政治を絡めた紙面を巡る<戦い>が本作の主題。著者は12年間新聞記者として勤めていた経験があり、実体験から裏打ちされた本作の内容は芝居がかった誇張こそ感じるものの、新聞社の内情が丁寧に描かれている。制作現場は熱い、熱気に満ちている!―――しかし、この熱さ、若干主人公の「勘違い」っぷりに原因があるのでは?と思うのは、作中、本当に何度となく下される苦渋の<決断>から。主人公、何のために記者をしているのかイマイチ共感出来ない。優柔不断と詰られる場面もあるが、外から見れば、本当にそうだと思う。読み手からしても<決断>が<保留>に思え、事実、それで失敗している。終盤、尋常ではないBite!を見せ、記者とは何ぞや!―――これぞな!と歌舞くが、これが勘違いの末だと思うと快感も寸止めだ。ただ、<ヒューマン>ドラマには違いないので、冷えた視界を温めるタオル代わりに読んでも良いかもしれない。ちなみに、山登りは基本的に本作の内容と関係ありません。

第1回本屋大賞 2位:クライマーズ・ハイ/横山秀夫

category: や行の作家

tag: OPEN 70点 横山秀夫 本屋大賞

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