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角川スニーカー文庫:ロードス島戦記/水野良

ロードス島戦記
1.灰色の魔女
2.炎の魔神
3.火竜山の魔竜(上)
4.火竜山の魔竜(下)
5.王たちの聖戦
6.ロードスの聖騎士(上)
7.ロードスの聖騎士(下)

answer.――― 78 点

―――スニーカー文庫と言えば?これは90年代と00年代で間違いなく読者の答えが分かれる質問だろう。現在では現代を舞台にした学園モノ、アダルトゲームをノベライズ化した作品が主力を担っているスニーカー文庫だが、文庫設立当初しばらくはファンタジーの専門レーベルと見紛うほどに文庫のカラーはファンタジー一色に染まっていた。その直接的な原因が本作『ロードス島戦記』にあることに、まさか異論を挟む御仁はいらっしゃるまい。本編全7巻、足掛け5年(……あれ!?意外に短い!?)のこの大作は、エルフの耳を伸ばしたのは水野良―――という嘘のような「これ、ホンマでっせ!」なエピソードを持つように、現在に通じる他作品への影響も顕著で、ついに未完の超大作となることに帰結した栗本薫・著『グイン・サーガ』に並ぶ、日本のファンタジー作品の代表作のひとつに数えられる。そのストーリーは終わることのない戦争から「呪われた島」と呼ばれるロードス島を舞台に、村の戦士パーンが騎士となることを夢見て旅立つことから始まる。戦争を終わらせる……ただ騎士になることが目的だった血気盛んな少年が、いつしか芽生えたその想いを胸に、十余年の時を経て、“誰にも仕えない”自由騎士となる物語は圧巻の一言に尽きる。一登場人物を生まれから育ちまで絡めて、作中のすべての国に関わらせた構成は歴史を扱う作品のひとつの完成形だろう。第6巻以降、読者の評価も分かれる主人公の交代劇が起こるが、作中に流れる時間を演出する方法としては決して間違いではないと思う。……まあ、評価が割れるのは、パーンの人物造形がそれだけ成功しているからだろう。哀れ、不幸王(スパーク。第6巻、第7巻の主人公。次作シリーズ:新ロードス島戦記の主人公でもある)。採点はシリーズ全編を鑑みての配点だが、個別に評価するなら第2巻<炎の魔神>は筆力、構成ともに白眉の出来。著者の最高傑作に挙げても良いだろう。また、第1巻にのみクレジットされている原案・安田均がどこまで本シリーズの絵図を描いていたのか興味深いところで、それによって、私のなかで水野良という作家の評価が著しく変わることも付け加えておく。

角川スニーカー文庫:ロードス島戦記/水野良 (1989~1993)

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 水野良 三大ライトノベル

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# |  | 2011/10/04 12:48 | edit

Re: 若者文化

> 若者文化にはまだ少し、なじめない
ライトノベルに関しては正直、(高尚な)文化とは呼べない代物だと思います。だからといって、昨今の文学も文学らしいものではないような気がしますけど、まあ、馴染めなくて当然ではないでしょうか。私もこの時代に生まれていなければ唾棄している気がします。現在レヴューしている作品で、匿名希望さんが読めるとなると、「バルタザールの遍歴/佐藤亜紀」(点数一覧<大衆小説>参照)あたりなんかは気に入るかもしれないですね。

>友人になれるとよいですね
私もご期待に添えるように文化的成長を遂げたいです(笑)

Medeski #- | URL | 2011/10/04 17:12 | edit

御礼かたがた

はじめまして文雀でございます。

コメントを残していただいたのでお邪魔させていただきました。

初心者の私が言うのもなんですがブログのテーマが明確で作りも凝っているので大変参考になります。

P.S Medeskiさんのプロフィールは読んで爆笑しました。

文雀 #- | URL | 2011/10/05 21:35 | edit

Re: 文雀

コメント、有難うございます!

何か誉められてる気がする!有難う、有難う!一体、どの党に献金すれば良いんだい!?いやはや、お誉めに与り光栄です。

>P.S Medeskiさんのプロフィールは読んで爆笑しました。
とても良いところに目を点けたね。たまに更新しているので、宜しければ定期的に訪れてください。おそらく友人を含め、相互リンクしてくれている方々さえプロフィールが更新されている事実を知るまい!最終的には大学生活のすべてを明け透けに記すよ!俺は記すつもりさ!

Medeski #- | URL | 2011/10/05 22:53 | edit

Medeskiさん

お疲れ様です☆

ファンタジーの超有名作品ですね。
作品名は当然知っていますが、原作をはじめアニメ等メディアミックスにも
触れたことないです。
しかしながら、おさえておくべき作品のようですね。
この作品を読まずしてファンタジーを語ることは、バチが当たるほどではないでしょうか?
参考になります。

失礼します(*- -)(*_ _)ペコ

nagisa #- | URL | 2011/10/07 21:30 | edit

Re: nagisa

コメント、いつも有難うございます!

読んで損はありませんが、ちょっと年長者のウケが良くなる、とか利点を見つけないと、面倒臭いのは事実だと思います。ただ、個人的には本シリーズを読んで、次作シリーズ「ロードス島伝説」を読んで欲しいですね。そのための価値はあると思いますよ。何せ、私Medeskiにとってのヒロイズムのすべてが描かれているのですから!

Medeski #- | URL | 2011/10/07 23:24 | edit

エルフの耳を長くしたのは違います。
D&Dと言うはるかに古いテーブルゲームの中で既にエルフの耳は長いです。ロードス島戦記は自分も大好きですがこの人の絵は、ほぼ、D&Dの画集を元に書かれています。

タッスル #- | URL | 2015/08/23 22:46 | edit

Re: タッスル

コメント、有難うございます!そして、遅くなって申し訳ない!


> エルフの耳を長くしたのは違います。
> D&Dと言うはるかに古いテーブルゲームの中で既にエルフの耳は長いです。ロードス島戦記は自分も大好きですがこの人の絵は、ほぼ、D&Dの画集を元に書かれています。

この話、自分も耳にしていたことがあったのですが、本当だったんですね!水野良のWikipediaを覗いたときに参考に書いたので、そのまま通説を採用してしまいました!ご指摘、有難うございます!

Medeski #- | URL | 2015/08/29 02:23 | edit
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