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第13回ファンタジア大賞 準入選:風の聖痕/山門敬弘

風の聖痕
1.帰ってきた勘当息子
2.災厄は突然に
3.過去との対決
4.帰参、そして―――
5.救出
6.決戦
7.エピローグ

answer.――― 72 点

寂びれた中古書店でバイトしていたときのことだ。休憩中でもないのに、私は店長と雑談に耽っていた。店長は私より10ほど年齢が上の人で、いわゆる<ガンダム>の直撃世代。当然、「富野由悠季の原作作品こそガンダム!」を信条とする原理主義者だ。その日、何とはなしに「一番好きなMSは何か?」という話から、「どこの軍に入りたい?」という話になった。この展開に、私は少し驚いた。この手の話になると、私の周りでは次の話題は決まって「どのMSが一番強いか?」―――<強さの不等号>を付ける話になるからだ。発想が属することから出発する世代、発想が個から出発する世代。世代間の違いは、発想からさえあると知った瞬間だった。私もあの日からいつの間にか10年近く齢を重ねてしまったので、きっと新しい発想の齟齬があることでしょう。いとをかし。さて、本作。<強さ>について、よく設定が練られている。失踪していた主人公の帰還とともにお家騒動というストーリーそれ自体は在って無いようなものなのだが、主人公の絶対的にブレない<無敵>具合、そして、ライトノベルに珍しいアンチヒーローの型が目と気を惹いてくれる。核となる戦闘描写も不足なく、何より戦闘中の感情の揺れ動きが描けているのがポイント高い。<強さの不等号>を付ける楽しみが出来る人にはオススメだ。ただ、本巻では主人公の過去は暗号的に伏せられ、読み切り仕様とは言い難い。戦闘を通してのキャラクター紹介というのが本作の概要と云える。堅調に続刊し、メディアミックス化。そんな、これから―――という時を前に、著者は白血病を患い、09年に他界。遺稿が短編と合わせて、未完の最終巻として10年に刊行。Amazonレヴューでのファンの暖かいレヴューが泣ける。R.I.P.

第13回ファンタジア大賞 準入選:風の聖痕/山門敬弘

category: や行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 70点 山門敬弘

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