ナマクラ!Reviews

05/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./07

第4回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:戦う司書と恋する爆弾/山形石雄

戦う司書と恋する爆弾
1.爆弾と『本』と灰色の町
2.爆弾と姫様とさまざまな人
3.爆弾と人間と風の進路
4.爆弾と司書と常笑いの魔女
5.抜け殻と敵と死の神の病
6.嵐と魔刀と三毛ボン
etc...

answer.――― 73 点

読了してみての第一の感想は、面白い構成だったな、と。表題及び表紙にあるように、本作の主役は「戦う司書」と「恋する爆弾」、この二人の登場人物。しかし、後に『戦う司書』シリーズと銘打たれるように、主役はあくまで「戦う司書」であり、「恋する爆弾」は本作のためのゲストキャラクター―――のはずなのだが、彼の立ち位置は通常の作品ならエトセトラにさえ数えられる一般兵Cといった役柄。実際、台詞らしい台詞は洗脳単語「ハミュッツ=メセタを殺せ」の連呼しかまともに許されていない。しかし、そんなスペックにも関わらず、<視点>を任され、淡々と頁を消化していく。その頁数は驚くなかれ、およそ80頁!そうして、ようやく登場する主人公らしい主人公「戦う司書」に読者は人心地を得るのだが、じゃあ、その辺で死体にでもなって転がっていそうな一般兵Cは何のためにいたのか?というと、「……どっちでも、いいか」とつぶやかされるほどに「戦う司書」を結局、脇役に押しやるため。本作は誰の物語かと訊かれれば、やはり、「恋する爆弾」の物語なのだ。ここが非常に面白い。とっ散らかった印象が強く残る本作だが、ラストシーンを思い返してみると、夕日を背景に不思議なまでにそのとっ散らかりが綺麗にまとめられてしまう。実験的というと大袈裟だが、変則的構成なのは間違いない。どうしてか腑に落ちる。ここが本作の最大の謎であり、一番の魅力でした。ライトノベルな<奇書>を読みたい方にオススメです。

第4回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:戦う司書と恋する爆弾/山形石雄

category: や行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞大賞 OPEN 70点 山形石雄

[edit]

page top

« Contraband/Velvet Revolver (2004)  |  第4回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:滅びのマヤウェル/岡崎裕信 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/478-32e30368
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top