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第3回本屋大賞 5位:その日のまえに/重松清

その日の前に
1.飛行機雲
2.朝日のあたる家
3.潮騒
4.ヒア・カムズ・ザ・サン
5.その日のまえに
6.その日
7.その日のあとで

answer.――― 69 点

まずは章タイトルをご覧あれ。5章「その日のまえに」、6章「その日」、7章「その日のあとで」とあるように、本作は「その日」をテーマにした物語。「その日」とは「死ぬ日」であり、「その日」を直接的に迎えるのは自分ではなく、友人、知人、そして、妻と云った面々。著者は現代の人情作家の第一人者・重松清。品のある文章は堅実で、派手さはないものの、実に「良い仕事をしてますねぇ~」とどこかのトレジャーハンター爺さんのように誉めたくなる作家だ。そんな作家が人生の終わりを描くのだから、―――思わず感涙!したかったところだが、どうやら読者の対象年齢が高めに設定されているため、いささか共感出来ない部分が目立った。原因は、ほとんどの登場人物に情念が無いからだ。「その日」を迎える面々は子どもから大人まで取り揃えているにもかかわらず、全員が<諦観>に入っている。リアリティがあるといえばそれまでだが、故にエンターテイメント的には退屈だ。著者もその辺を意識しているために、テーマの共通する短篇を並べて来たかと思わせて、終盤に繋げてくる連作短編という構成上の工夫を施しているが、これは小手先。失地回復までには到っていない。平均寿命から考えて、本作は人生の折り返し地点である四十路コーナーを廻ったあたりに手を出すのがベターだろう。個人的には、目次を開いたとき、サンドイッチ状になっている章タイトルのアイディア(……これ、意外に少ないのよね)に未開拓の可能性を見ました。

第3回本屋大賞 5位:その日のまえに/重松清

category: さ行の作家

tag: OPEN 60点 重松清 本屋大賞

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