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第19回ファンタジア大賞 佳作:沙の園に唄って/手島史詞

沙の園に唄って
1.讃歌 
2.森の魔女 
3.神子の騎士 
4.灰色の乙女 
5.青の賢者
6.歪曲の災厄
7.災いの箱
8.鎮魂歌

answer.――― 61 点

「―――二十九鳴る真名が一片よ。我は詠い誘い、基は舞い踊る―――」 編集作業をしながら、口ずさんでしまいました……とは、相変わらず、やらかしてくれる編集部の<解説>である。絶対に口ずさんでないとはいえ、うっかりそんな冗談を書いてしまえるところに背筋もこわごわと凍る。しかし、呪文の詠唱それ自体はともかく、本作のセールスポイントに<魔法>が関わってくるのは間違いない。三年前に起きた故郷の「消失」事件より居場所も記憶も失い、“森の魔女”と恐れられながら生きてきた少女リッカが、百年に一度の英雄祭に沸くルチルの街で行き倒れたことで動き出すストーリー。穏やかでない過去、あれよあれよと覚えていく魔法、目覚めれば灰色へと染まった髪、記憶の喪失……冒頭の呪文の詠唱からも想像出来る通り、作風としては10年以上前のスタイル。これを「旧き良き……」と捉えられるかどうか。富士見ファンタジア文庫の凄いところは、是非とはともかく、こういう時代にそぐわない作品を受賞させるところだ。もっとも、最近はライトノベルの新興レーベルの勢いに胡坐を掻いていられなくなり、この手の作品はもう受賞させないだろう。そもそも、感想として「無難……」という評価にギリギリ届くか届かないかで議論出来てしまう本作が受賞するのも変な話だ。文章こそ無難だが、ネット小説で連載してても果たして人気が出るかな?ヒロインの自然体の天然は今では珍しいので好感を抱ける。しかし「旧き良き」を求めて本作を読むなら、同じ佳作である第18回の受賞作『黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで』を選ぶのがベター。出来は雲泥(タイトル的に「沙」のほうが良いかしら?)の差です。

第19回ファンタジア大賞 佳作:沙の園に唄って/手島史詞

category: た行の作家

tag: ファンタジア大賞佳作 OPEN 60点 手島史詞

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