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第7回本屋大賞 6位: ヘヴン/川上未映子

ヘヴン
それに第一、これはだれにだってできることだ。
目を閉じさえすればよい。
すると人生の向こう側だ。

―――セリーヌ 『夜の果てへの旅』

answer.――― 71 点

この著者に対してのイメージが悪いのは、さかのぼれば芥川賞受賞、そのTV出演でのあまりに「俗物」的対応だった気がする。(……何だ、この三十路女は?)と眉間に皺を寄せさせてくれた、妙に若ぶったその姿は、いずれ日本を代表する勘違い作家・吉本“私が人脈持ってる人間だとわからないの!?”ばななの後継者のように思えてならなかった。それが逆に興味を引いて読んでみたくもなったのだが、時は川の流れのように流れて―――運命の River! River! River!@AKB48である。さて、本作は<イジメ>を取り扱った作品。この手の作品は90年代半ばを境にずいぶんと量産され、誰の目にも目垢のついた題材となっているが、本作は取り立てて設定面での工夫は無いものの、意外なまでに剛健な文章で綴られているのが印象強い。散文的なフレーズで誤魔化そうとしていないところなんて好感さえ抱いた。ただ、―――で?と尋ねたくなるのは正味な話。文学は自分ではない“誰か”になって人生の追体験をするツールとして存在していると(私は)思うが、本作、自分ではない“誰か”になったとき、必ず生じるはずの「謎」が是と云って無い。何でこんな行動を?と首をひねりたくなる瞬間が……止めた、文学作品は読み込みが甘いと(^u^)クスクス!されてしまうのでこれ以上は恐くて書けねえや。エンターテイメント面からレヴューするなら、イジメられている者同士が心を通わせ、ラストではその交流さえイジメの対象になる……なんて展開は王道だけに、ヒロインの素っ裸の万歳アタックにサプライズは無かったが、その行為を「美しい」と思った主人公の反応がちょっとした工夫だ。まあ、こんな感じで、個人的には著者の文才を誉めたい凡作でした。

第7回本屋大賞 6位: ヘヴン/川上未映子

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 川上未映子

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