ナマクラ!Reviews

03/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./05

第20回日本ファンタジーノベル大賞 大賞:天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語/中村弦

天使の歩廊
1.-明治十四年-
2.冬の陽
3.鹿鳴館の絵
4.ラビリンス逍遥
5.製図室の夜
6.天界の都
7.忘れ川
8.-昭和七年-

answer.――― 67 点

本作、ストーリーが面白いかの是非を問われるとしたならば、私は<非>の判定を出す。ファンタジーノベル大賞への投稿作、そして、その<大賞>作なのだからファンタジーが出てくるのは当然としても、本作でのファンタジー要素は中核に配してはいけないご都合的な役割を担っているからだ。興が冷める、断じてしまえばそんなところだ。それでも、セールスポイントだろう作中に登場する<建築物>にはやはり興味を引かれる。本作は、タイトルにあるように異端の才能を持つ建築家・笠井泉二をめぐる物語。連作短編の形を取っており、始まりである「冬の陽」では青年期、次章「鹿鳴館の絵」では幼年期、再び(本人は登場しない)青年期となり、次は学生期……と、章ごとに時間軸をそれぞれ変えているのが珍しい。建築家自身の視点は無く、この点で謎の人物としての演出は出来ている。ただ、短編ならでは歯切れの良さが無いのが作品としての致命的な欠点。オチにファンタジーを用意されると、おそらく著者が一番知恵を絞ったであろう建築物の構造美まで霞がかってしまう。何より、本作には設計図の挿し絵が欲しかった。それがあるだけで、<大賞>作としての格は示せたと思われる……残念!

第20回日本ファンタジーノベル大賞 大賞:天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語/中村弦

category: な行の作家

tag: 日本ファンタジーノベル大賞大賞 OPEN 60点 中村弦

[edit]

page top

« 第4回MF文庫Jライトノベル新人賞 佳作:やってきたよ、ドルイドさん!/志瑞祐  |  第20回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:彼女の知らない彼女/里見蘭 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/519-090cd6a4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top