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このライトノベルがすごい!(2012年版) 10位:雨の日のアイリス/松山剛

雨の日のアイリス
1.解体
2.転生
3.決行
4.手紙

answer.――― 69 点

ここにロボットの残骸がある。彼女の名は、アイリス……ロボット研究者・アンヴレラ博士のもとにいた家政婦ロボットであった。主人から家族同然に愛され、不自由なく暮らしていたはずの彼女が、何故このような姿になってしまったのか。第17回電撃小説大賞4次選考作―――つまりは選考落選作ながらに、「このライトノベルがすごい!2012」の第10位に見事ランクインを果たした2011年の電撃文庫のダーク・ホース。落選作品でも受賞作よりセールス面で優れた結果を残した作品は『キノの旅』『とある魔術の禁書目録』などあまりにあまりな代表的事例が存在するが、しかしそれらが何故に落選したかと云えば、相応の理由があるのも事実だ。前者は短編連作という当時のライトノベルとしては商業的成功例が無かった作風ゆえ。後者は改訂前がどれ程かによるが、1巻冒頭が明らかに後で貼りつけただろう跡から察するに、巷で語られる文章の破綻云々ではなく構成上の難だろう。落選にも必ず理由があるのである。本作もまた、選考落ち―――ということは、やはり原因がある。それは何か?ズバリ、本作が「面白くないから」に他ならない。本作の読了者に「どこの場面が面白かった?」と訊いてみると良いだろう。「どんな会話が面白かった?」でも良い。おそらく挙げることは出来ない筈だ。彼らが覚えていることは、―――挿し絵。それしか無い。本作がこれ程までに支持されるのは挿し絵、イラストゆえの大勝利だった。選考時点では当然イラストが無かった故に、本作は落選したのだ。イラストが付いていれば<大賞>、ないし<金賞>だっただろう。かつてこれ程までに完璧なタイミングで、且つ、完璧なイラストが挟まれたライトノベルがあっただろうか?著者でもイラストレーターでもなく、編集者にこそ私は称賛を送りたい。「このライトノベルがすごい!2012」の第10位、これこそ編集者が出した<結果>である。著者は本作の大好評を自分の実力と勘違いせず、担当編集者の助言&提案を奴隷の如く聞き続けなさい。それがキミのためだ。編集者礼讃の記事になっているが、上述の<面白くない>をオブラートに包めば、本作は<感動>系のライトノベル。だからといって、「面白い必要が無い」というのは違うだろう。少なくとも衝撃の第2章『転生』演出の下準備とはいえ、第1章は無駄につまらなかった。なんて書きつつ、挿されるイラスト、イラストで涙腺を挑発され続けた作品でした。

このライトノベルがすごい!(2012年版) 10位:雨の日のアイリス/松山剛

category: ま行の作家

tag: このライトノベルがすごい! OPEN 60点 松山剛 ラノベ好き書店員大賞

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コメント

点数って本に対するものなん?
それとも、小説に対するものなん?
このレビューに限らず

Axshynu #74WU3Slc | URL | 2012/02/08 15:48 | edit

Re: Axshynu

コメント、あざーす!

> 点数って本に対するものなん?
> それとも、小説に対するものなん?

違いがイマイチ分からんが、本をイラストを含めたモノとして、小説を単に文章だけのモノとして考えるなら基本は小説で、本作のような「イラストも含めてのひとつの作品です♪」的なものは本かな。点数(というか、数字)は万人が認識出来るものだから齟齬を許したくないのかも知れんが、そのレベルで考えるなら点数一覧にあるように「満足」「普通」「不満」「アマチュア」で捉えてくれい。90点以上はsomething、例えば<パイオニア>だったりすると与えている。

Medeski #- | URL | 2012/02/08 22:11 | edit
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