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第10回ファンタジア大賞 準入選:ザ・サード 蒼い瞳の刀使い/星野亮

ザ・サード
1.プロローグ
2.砂漠の旅人
3.機械の街
4.“蒼い殺戮者”
5.“鋼の谷”へ
6.斬る!
7.そして二人は出会った

answer.――― 68 点

黄色い砂塵の中、漆黒の佩刀を手に少女―――‘何でも屋’火乃香は今日も自分の元へと飛び込んで来たキナ臭い依頼を片付けていく。一巻での紹介文こそ「サイバー・ファンタジー」と銘打たれながらも、次巻以降は「アクション・ファンタジー」と喧伝されたように、なかなかの戦闘描写で魅せてくれる<ザ・サード>シリーズ。本作はシリーズの始まりとなる第1巻、謎の青年イクスを禁断の地“鋼の谷”へ届けるお話。男勝りなヒロイン、それはライトノベルならどこの、どんな作品でも見掛けるものだが、初版が平成11年……現在から遡ること十余年前の作品ともなると、その<男勝り>は現在の作品と比すればずっと芯のあるものとなっている。<男を庇護する>という面から女性に向けた作品と捉えることも出来る仕様。干支を一巡りして読んでみると、火乃香の硬派なヒロイン像がどうにも新鮮に映る。旧型と切ってしまえなくもないのだが、……まあ、この辺はワナビ諸氏の本作からのインスピレーションに期待だ。〇〇を××に届ける、そこに邪魔が入る―――そんなオーソドックスな展開のスパイスとなる戦闘場面は、徐々にビルドアップしていく描き方で飽きることはない。終盤、イクスを通しての壮大な会話に火乃香がひょっこり人類を代表して混ざるが、お約束とはいえ、やや場違いな印象。こういう場面ではリアルな一般人キャラクターのほうが興味深い仕上がりになると思う。もう少し工夫が欲しかった。ヒロインのバッドボーイな口調、大の男たちとのやり取りが無意識下で拒否反応を招く可能性もあるが、堅実なライトノベルのひとつに数えられる作品。

第10回ファンタジア大賞 準入選:ザ・サード 蒼い瞳の刀使い/星野亮

category: は行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 60点 星野亮

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