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富士見ファンタジア文庫:フルメタル・パニック! 戦うボーイ・ミーツ・ガール/賀東招二

フルメタルパニック
1.プロローグ
2.通学任務
3.水面下の状景
4.バッド・トリップ
5.巨人のフィールド
6.ブラック・テクノロジー
7.エピローグ

answer.――― 76 点

著者自身は本作のジャンルを<冒険活劇もの>とあとがきにて括っているが、後には作中に登場するロボットが人気ゲーム『スーパーロボット大戦』に採用されたように、ジャンルとしては<ロボットもの>に括られるのが適当だろう。そのゲームに採用されたロボットこそアーム・スレイブ、通称<AS>と呼ばれる人型強襲兵器。シリーズではこの<AS>が縦横無尽に活躍する。それはシリーズ一作目である本作でも変わらない。物語は対テロ極秘傭兵組織ミスリルに所属する最年少のエージェント・相良宗介が一般人として高校に潜入し、仲間と共に千鳥かなめを秘密裏にボディーガードするという特殊任務を与えられることから始まる。がしかし、いきなり白煙膨れるプロローグでも分かる通り、本作はミッションこなすシリアス一辺倒のストーリーではなく、幼少時から激戦地を渡り歩いてきた主人公が平和な学園生活に馴染めずに、ひたすら失敗を繰り返すドタバタコメディが織り交ぜられる―――これが面白い。<フルメタル・パニック>はシリーズ累計1,000万部突破という押しも押されもせぬライトノベル界の金看板作品のひとつだが、その成功はひとえに著者のこのコメディセンスにあることは間違いない。そう、本作もまた、富士見ファンタジア文庫の2トップ『スレイヤーズ』『魔術士オーフェン』同様に、本編よりも<外伝>でセールスを伸ばした作品なのである。それでも、この一巻にかぎれば、著者はシリアスとコメディを前半と後半に見事に振り分けた白眉の構成力を披露。作品舞台を学園から北朝鮮にまで移動させる展開に無理がなく、また、ロボットという小説に不向きな題材を違和感なく使いこなせているのが素晴らしい。終盤にはシリーズでも読者の関心を遠ざけるブラック・テクノロジーというご都合の良さそうで悪い設定が発露してしまうが、本作の時点ではそれもご愛嬌に受け取れる。何にせよ、90年代終盤から00年代序盤のライトノベル界を華やかに彩った名シリーズの幕開けに相応しい充実のザ・ライトノベル。適度に適当な専門用語の散りばめ方も上手い。画像は、新装版より。

富士見ファンタジア文庫:フルメタル・パニック! 戦うボーイ・ミーツ・ガール/賀東招二 (1998)

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 賀東招二

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