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第7回電撃小説大賞 金賞:陰陽ノ京/渡瀬草一郎

陰陽
1.むかしのこと
2.鬼女の章
3.呪殺の章
4.屍鬼の章
5.花の宴

answer.――― 76 点

2000年前後に吹き荒れていた陰陽師ブーム。その中核を担っていたのは夢枕獏の代表作『陰陽師』だと思うが、本作もまた、トレンドに目敏い電撃文庫が柳の下に「……ほらドジョウ♪」理論から受賞させた―――なんて考えていたら、まさかのウナギ的作品。イラストを田島昭宇が手掛けているあたりからも、ライトノベルらしくないとは思っていたが、まさか本当にライトノベルではないとは思わなんだ。時は平安、陰陽道の名門の出にありながら文章道に進んだ主人公・慶滋保胤。ある日、師である安倍晴明の頼みで洛外の外法師の素性を調べに向かえば、そこに待っていたのは……という物語の概要。安倍晴明を登場させる陰陽師シリーズは数あれど、本作はその中でもお薦め出来るクオリティを持っている。それは起承転結に始まる物語の構成であったり、書き綴る文章、作品背景に合わせた知識、もちろん、登場人物の設定にも及ぶ。この手の作品で弱点になりがちの女性キャラクターにもしっかり機微がある。懸念と云えば、巷に陰陽師モノが溢れ過ぎて食傷気味な点くらいで、これは後発組の宿命だ。本作は「金賞」受賞という形を取っているが、それは単純にライトノベルではないためで、作品としては「大賞」の扱いで良いと思う。陰陽師モノ御用達キャラクター「阿倍晴明」は、本作の場合は年齢を上げて狸親父の風貌で描かれている。区別化を図っているこんなところも評価したい。

第7回電撃小説大賞 金賞:陰陽ノ京/渡瀬草一郎

category: わ行&数字の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 70点 渡瀬草一郎

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コメント

この作品めちゃくちゃ読みたいんですよ。
過去にラノベだと知らずに書店で立ち読みしたことがあるんですか、とても面白くて。
でも結局、立ち読みだったので最後まで読めていないんです。なぜあのとき買わなかったのかと今でも不思議でなりません。
そして思い出したときにはもう書店で見かけなくなっていましたし。
とりあえず古本屋を漁っていつか必ず読むつもりです。
Medeskiさんのレビューを読んで尚更そう思いました。

つかボン #v14okzU2 | URL | 2011/04/05 00:41 | edit

Re:つかボン

コメント、有難うございます!
点数を高めに打っちゃってますが、実際、誰が読んでもハズレではない程度のエンターテイメントはあると思いますね。自分のレヴューが人に後押しする要素となると、終盤は(……いや、ライトノベルにはなっていたな。若干吹いてしもうた)と冷や汗ですが、面白いと思いますね。

それにしても、立ち読み……強者ですね!頁的に重量感のあるパターンだから、これは足が疲れて読み終わらないでしょう(笑)

>古本屋を漁っていつか必ず読むつもりです。
自分の周辺ではけっこー見掛けます。つかボンさんがどんな釣りレヴューにするか読んでみたいですね!その時を楽しみにしております。

Medeski #- | URL | 2011/04/05 01:24 | edit

これ素敵な作品ですよね。
続編が最近出てないのが凄く悲しいです…。外伝はありますが。

「ライトノベルではない」ってのは凄くよく分かります。表紙ももちろんですが、内容もライトノベルとしてじゃなくて普通に一般文芸として出てたらどうなってたんだろう?って考えたことは一度や二度じゃ無いです。
知識量も凄いですよね…。読んでてあそこまで時代背景や風景が頭に思い浮かんだ歴史物(と言って良いのかな?)を読んだことはない気がします。
清明の立ち位置も素敵ですしねw。

tokuP #- | URL | 2011/04/09 10:15 | edit

Re: tokuP

続編の評判がイマイチなので、迷走したのかな?と思っていましたが、tokuPさんが続編を望んでいるあたりそこそこに面白かったんでしょうか?一巻での終わり方がそこそこに哀愁と享楽混ぜ合わさった形で良いものだったので、追おうとは思わなかったんですが。


「ライトノベルではない」ってのは凄くよく分かります。表紙ももちろんですが、内容もライトノベルとしてじゃなくて普通に一般文芸として出てたらどうなってたんだろう?って考えたことは一度や二度じゃ無いです。

ライトノベルじゃないほうがひょっとしたら売れたかもしれませんよね。ただ、夢枕獏が扱う題材のように「誰が読むの?」的内容なので、そこがまた、苦慮しそうです。とりあえず、大きな賞を受賞しないと内容が良い悪いにもかかわらず、売れなそうなのが泣き所って感じですね。

Medeski #- | URL | 2011/04/09 14:26 | edit
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