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第7回本屋大賞 4位: 神去なあなあ日常/三浦しをん

神去なあなあ日常
1.ヨキという名の男
2.神去の神さま
3.夏は情熱
4.燃える山
5.神去なあなあ日常

answer.――― 72 点

現状、私に手放しで「巧い!」と唸らせる数少ない<文章力>を持つ作家・三浦しをん(と云っても、まだ『私が語りはじめた彼は』『風が強く吹いている』しか読んだことないのだが)―――本作でも主人公の手記といった前置きを活かした、「ま、おいおい説明する。」「おっと、これもまた別の機会に書こう。」等の後ろへ投げる節回しを用いて、私を唸らせた。もちろんこういう書き口が他の作家の作品に無いわけではない。しかし読書家の方はよくよく思い返して頂ければ共感して貰えると思うが、一度はあっても、二度も、三度もその手の節を使うのは珍しい。読書中、私はそんな奇手を見掛ける度に(゚з゚) ヒュゥ~♪と口笛である。もっとも、肝心のストーリーに関してはやや拍子抜けの出来に落ち着いている。本作は馴染み薄い『林業』にテーマを置いた作品。高校を卒業と同時に主人公は「なあなあ」が口癖の山奥は神去村に放り込まれ、戸惑いながら山仕事に従事するストーリーライン。テーマそれ自体は奇を衒っただけあって初耳の知識ばかりだったが、一目惚れ、神隠し、山火事……といった相応のイベントこそあれ、展開にイマイチ求心力が乏しいのが残念。私見だが、主人公は派手な女遊びでもすれば良かったと思う。閉鎖的な村にもかかわらず、村人が「まとも」過ぎるのだ。その癖、ちょっとしたファンタジーも当たり前のように起こる。神隠しのイベントあたりでは作品の雰囲気に『家守綺譚』に似た印象を持ったが、その割に、作品世界へ対して憧憬を抱けなかったのがこの作品の物足りなさを象徴する。まあ、終盤の大木ボブスレーのイベントは驚きこそないが、盛り上がり所には違いない。退屈なものでもないので、林業を垣間見るつもりでどうぞ。

第7回本屋大賞 4位:神去なあなあ日常/三浦しをん

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 三浦しをん

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コメント

こんにちは。

Medeskiさんの感想に笑っていました。
残念ながら大木ボブスレーはなかったですねー。

この人が扱う題材(職業)は一癖あるものばかり。
「三浦しをんの職業シリーズ」と私は勝手に呼んでいるのですが。

このタイプはのほほんとしていて、汗臭い男は出てきても、内面が澱んだ人間はほとんど出てこない。
これは癒し系青春小説でしたね。

ごろちゃん #- | URL | 2012/04/09 12:48 | edit

Re: ごろちゃん

コメント、あざーす!

> この人が扱う題材(職業)は一癖あるものばかり。
> 「三浦しをんの職業シリーズ」と私は勝手に呼んでいるのですが。

職業シリーズ、なるほど、そんな創作コンセプトがあるんですね。流石やるやんけ、しをんちゃん。本作を読んで、これ以下はないな、と逆に安心しました。最低でもこれくらいのエンターテイメントを提供出来るというラインを定めさせてもらったので読んで良かったです。

ごろちゃんさんの共喰いのレヴューは、良い意味での適当のほうです(笑) 文学のレヴューで必要なのって、個人的に描写に力点が置かれているのか、それ以外に力点が置かれてるのかさえ分かればいいと思っているので、ごろちゃんさんのレヴューはキーワードのの選別と漠然とした印象を与えてくれるので、凄い把握しやすかったです。

買いたくないので、図書館待ちや! ← 長いのかな??

Medeski #- | URL | 2012/04/09 14:59 | edit
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