ナマクラ!Reviews

04/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./06

第18回電撃小説大賞 銀賞:ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー/三河ごーすと

ウィザードウォーリアー・ウィズ・マネー
1.プロローグ
2.ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー
3.底辺世界の愚者
4.ストレート・ウォーカー
5.エピローグ

answer.――― 67 点

ライトノベルをたしなむ男性読者の共通項に、ヤンキー漫画を嫌う、という項目がある。その理由は単純で、低俗な発想、下卑た言葉、下劣な態度……そんなパーソナリティを持つ主人公への同一化の拒絶、つまりは「コイツ、……ぜんぜん俺じゃねえし!」に尽きる。しかし、さりとて同じアウトローはアウトローでも、授業中に屋上に寝そべり、煙草を吹かす孤高の学生には積極的に同一化するのだから困ったものだ。では、本作の、地下貧民街で幼い頃から暴力と略奪の下で孤独に生きてきた主人公はどうなのか?―――粗野である。言葉遣い、そして、地の文でさえ悪態をついている。当落線ギリギリの政治家、この主人公は喩えるならばブルー・ブラッド流れるライトノベラーたちにとってはそんな存在だったろう。しかし読了後、レビューサイトを見回ってみれば総じて好評のようで、主人公は「当選」の結果が得られたようだ。それもこれも、見所散見の戦闘描写、終盤の“お約束”の逆転劇が要因だろう。作品それ自体は近未来を舞台にした戦士と魔法使いのタッグ戦という、設定を若干挿げ替えた『アクセル・ワールド』といった趣きで、支持を集めている逆転劇の展開は「模した」と表現出来てしまう近似性さえある。それでも、著者が文章表現を含め戦闘場面の演出に長けているのは間違いない。残念なのは、選考委員も指摘している表題についた<マネー>の部分。おそらく、この要素が一番オリジナリティを発揮できる部分になるはずだが、本巻では借金の金額など申し訳程度の披露に終わってしまっている。逆に云えば、次巻以降の布石にも取れる。サプライズがサプライズとして機能していないなど改善の余地は多々あるが、珍しい直情型ヤンキー主人公の作品だけに今後、性格の変遷が気になる。上記の<マネー>設定、主人公をどう成長させられるかが著者の腕の振るいどころ。

第18回電撃小説大賞 銀賞:ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー/三河ごーすと

category: ま行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 60点 三河ごーすと

[edit]

page top

« 第18回電撃小説大賞 金賞:あなたの街の都市伝鬼!/聴猫芝居  |  第18回電撃小説大賞 銀賞:勇者には勝てない/来田志郎 »

コメント

【お断り】

点数を当初より5点程下げました。相対的に点数をつけているので、他作品でも1~3点の上下はしているのですが、5点下げたのは初めてなので、御断りをば。当初より「高過ぎるんじゃねえか?」と思いつつ、要素は揃えているだけに悩みどころだったのですが、やっぱり、このバッドボーイの書き口は失敗に終わったようなので。ヤンキー主人公は基本的にマイナスですが、匙加減で+5にも、+10にもなる要素だったので、他のレヴュワーさん達の反応を当てにし過ぎましたわ。己を信じ切れなかった、無念!

Medeski #/02qLiNA | URL | 2013/03/24 13:16 | edit
page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/578-5cf4e1bb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top