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第10回電撃小説大賞 金賞:我が家のお稲荷さま。/ 柴村仁

我が家
(あらすじ)
一匹の大霊狐が三槌家の守り神に祀りあげられた。名を空幻といい、ありとあらゆる術を自在に操る、たいへんに賢しい狐であったが同時に、騒動が大好きでもあった。いたずらと呼ぶには悪辣すぎる所業を繰り返す空幻に業を煮やした三槌の司祭は、七昼七晩かけて空幻を裏山の祠に封印したのだった。そして現在、未知の妖怪に狙われた三槌家の末裔・高上透を護るため、ついに空幻が祠から解封された…のだが、その物腰は畏怖された伝説とは裏腹に軽薄そのもの。イマドキの少年である透からは『クーちゃん』と呼ばれる程で……。

answer.――― 72 点

狐が可愛い、―――という選考委員たちの主だった選評や各所のレヴューサイトの言及に特段異論があるわけではないが、個人的に本作は用意した登場人物たちの処理、さかのぼれば一章から敷かれていた一巻きのストーリーがとても自然に描かれていたのが印象的だった。過程を経て結果に至る、そんな当たり前のことを<流れ>のなかで出来ている……まあ、何が言いたいかと云えば、本作はライトノベル特有のキャラクターが物語を引っ張っていく作品というよりも、<物語>があって<キャラクター>がいる、そんな大衆小説的なアプローチがあるように感じた作品だった。日常パートの作りが上手いからキャラクターに評価の声が集まるんだろうが、透、空幻、ついでに恵比寿様の思惑やらを小綺麗に解決している点に満足度が高い。一巻が気に入れば、次巻以降も安心して読めそうだが、実際はどうなんだろう?とりあえず、大賞でも違和感を感じない出来栄えで、始まりから終わりまで素直に楽しめました。ところで、本作のイラストの人選が正解だったのか否か、未だに分からない。表紙で手に取るとキャラクターものとしては実は弱い作品だから、その辺を考えれば人選ミスの気がしないでもない。ただ、じゃあ、どんなイラストが合うのかと訊かれると答えに詰まるのよね。もちろん、悪くはないんだけど。

第10回電撃小説大賞 金賞:我が家のお稲荷さま。/柴村仁

category: さ行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 70点 柴村仁

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