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第4回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:居酒屋野郎ナニワブシ/秋山鉄

居酒屋野郎ナニワブシ
1.じゃじゃ降り
2.まかしてんか
3.アホでええねん
4.店、やめや
5.空は青空

answer.――― 68 点

北海道を行くつもりで念願のオートバイを買った主人公が、かつてアルバイトをした居酒屋が火の車ということで男気を見せて手伝うという物語。他記事でも触れたことがあるが、遡ればゲーム『トルネコの大冒険』がヒットしたように、<店を運営する>という行為はどこにでも見掛ける日常的な行為ながら、ほとんどの人にとっては非日常的な行為であり、それだけに「追」体験したい行為のひとつに数えられる。本作の受賞理由として、一人の選考委員は「居酒屋の内側を描いた」点を挙げていて、ギャンブルな仕入れ、常連のあしらい、学生の飲み会の狂騒、信頼していたアルバイト店員のネコババ、……と、おそらく著者の実体験に基づいたであろうやんごとなきエピソードはサラリーマン家庭溢れる現代では何とも刺激的で興味深い。体育会系の学生の灰皿で酒を飲む罰ゲームなんてのは生活感溢れ、その一文でどんちゃん騒ぎのイメージが豊かに膨らんだ。また、表題に「ナニワブシ」とあるように文章も一風変わっていて、体言止めが多い。選考委員は総じて「気風の良い文章」と称えているが、体言止めの頻発は実のところ、文章力という観点では下手と紙一重で、個人的には意図的に使用していない場合は、その作家を<下手>と見做している。著者は私の判断では<下手>と見た。おそらく文章の修練をせず、感性のままに書いているだけだろう。まあ、文章が粗野であることが作品の雰囲気作りに貢献出来ているので、本作では問題無い。文学として評価しているが、娯楽要素も強いので、上述の「居酒屋の内側」を覗いてみたい人は読んでも時間を無駄にしたとは思わないだろう。ただ、ドラマは弱い。

第4回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:居酒屋野郎ナニワブシ/秋山鉄

category: あ行の作家

tag: OPEN 60点 秋山鉄 小説新潮長編小説新人賞

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