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第13回電撃小説大賞 金賞:扉の外/土橋真二郎

扉の外
(あらすじ)
千葉紀之が目を覚ませば、そこは密室で、しかもクラス全員が同じ場所に閉じ込められていた。呆然とする一行の前に、“人工知能ソフィア”を名乗る存在が現れる。ソフィアが示したのは唯一絶対のルール“ソフィアに従うこと”、そして、“従っていれば生命は保証されること”。だが、紀之は瞬間的な嫌悪感からソフィアからの庇護と呪縛を拒否してしまう。紀之以外のクラスメイトはその“ルール”を受け入れ、“ルール”が支配する奇妙な日常が始まった……。

answer.――― 69 点

読む時期によって評価が変わりそうな典型的作品。その内容は映画『キューブ』、あるいは漫画『GANTZ』を想起させる密室(限定的空間)を舞台にした理不尽ゲームに強制参加させられるストーリー。読者は頁をめくれば登場人物たちと同じように、唐突にゲームを人工知能<ソフィア>より説明され、状況を把握出来ないまま読み進めることになる。批評精神が育っていると、この冒頭で拒否反応が少なからず出てしまうだろう。指示待ち人間が多いとされる日本人、その高校生たちと云えども、さすがにここまでの現実逃避(ソフィアを受け入れること)はしないからだ。この悪い意味でのリアリティーの無さは、反骨の相を持つ主人公の堂に入った人間観察でも相殺出来ない。ただ、「自我」をテーマに置く本作は、他のライトノベル作品とは一線を画しているのは間違いない。物語を「投げる」ラストシーンにしても、純文学の型をなぞっている。集団心理の扱いが秀逸で、ゲームの設定と合わせて「優」をつけたい。しかし前述の通り、おそらく作者自身も承知の上で、登場人物たちに現実逃避させているので、所々に冷める要素がある。やはり、本に慣れていないだろう中学生時に読むのがベストだ。タイミングが合えば、自分探しのキッカケとなるボクorワタシの名作になるクオリティがある。本作を気に入ったなら、村上‘ノーベル’春樹作品に流れても良いかもしれない。そんなリトマス紙的意味合いも含め、ナマクラ!Reviewsの推薦図書としておきます。注意点として、本作の主人公は草食系のライトノベル読者が苦手とする中途半端な不良です。

第13回電撃小説大賞 金賞:扉の外/土橋真二郎  【推薦】

category: た行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 60点 土橋真二郎 推薦

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