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第4回本屋大賞 7位:ミーナの行進/小川洋子

ミーナの行進
(あらすじ)
美しくてか弱くて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない……懐かしい時代に育まれた、二人の少女と、家族の物語。

answer.――― 72 点

「読む」というよりも「眺める」感覚―――絵本を全て文字で起こしたらこんな風になるのだろう。頁の諸所にそれこそ大衆小説には珍しい絵本風のイラストが挟まれているように、本作は大ヒット作となった『博士の愛した数式』以降、作家人生の第2のピークに到達しているベテラン作家・小川洋子の手によるハートフルな作品。その内容は、1970年代の芦屋を舞台にした少女・朋子の居候物語。フレッシーという清涼飲料水で財を成した居候先には、病弱ながらも聡明なミーナと、カバのポチ子が待っていた。……正直な話、本作、私は淡々と頁を捲っただけだった。意外に複雑なミーナの家庭事情、朋子とミーナのそれぞれの淡い恋が主だったストーリーラインだが、クスリと笑うものでもなければ、鼓動高鳴る仕掛けも無い。ただ、綺麗な(心内を含めた)描写が続いていく。そこに難しい語彙を使用していないことで、冒頭で云う「眺める」感覚になったのだと思う。そんなこんなで、他のレヴューサイトを読んで回った雑感として、これは女性向きの作品なんじゃないかな?と。ミーナが語ってくれるマッチ箱の創作物語を例に挙げて「良い場面」とする方が多かったが、綺麗なことそれ自体をエンターテイメントと見做すのは男性にはなかなか難しいだろう。個人的に一番興味を惹いたのは、朋子と図書館のとっくりさんとのやりとり。実際は朋子の感想はミーナの感想なのだが、その感想が堂に入っている。読者に文学の読み方を指南している形なので、文学を文章の機微程度にしか思っていない方はここで間接的に矯正されても良いだろう。人によってはいつまでも心に残る可能性がある<綺麗>な作品。

第4回本屋大賞 7位:ミーナの行進/小川洋子

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 小川洋子

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