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第4回本屋大賞 8位:陰日向に咲く/劇団ひとり

陰日向に咲く
1.道草
2.拝啓、僕のアイドル様
3.ピンボケな私
4.Over run
5.鳴き砂を歩く犬

answer.――― 75 点

売れっ子お笑い芸人・劇団ひとりによる連作短編。お笑いブーム真っ盛りの時期も時期、そこに恩田陸など著名作家による絶賛もあって見事にベストセラー化、その売れ行きに直木賞候補にも挙げられた!のは今は昔の今昔物語。結局は直木賞にはノミネートされず、二作目以降は話題にもならずにコケて、芸人らしいオチをつけている。ながらに本作、読んでみれば劇団ひとりが芸人として成功出来たのも納得出来るクオリティを持っていた。感心したのは、身の丈に合った創作方法。正直な話、劇団ひとりは作家としては<拙い>部類に入る。それというのも、短編ながらに章立てとなっており、その一章は事実上のブツ切りで、それが著者が「長く」書けないことを露わにしている。しかし、その至らない部分を自身で認めているからこその<連作短編>という工夫を取って来たところが、そこいらの凡との違い。登場人物が折り重なりながら、各短編もオーソドックスながらに綺麗なオチを付ける。これは出来そうで出来ないセンスの要る作業だ。個人的に推したいのは、二章「拝啓、僕のアイドル様」。オタクの純情(常識と非常識)が描かれ、そこにまさに「年季」の入ったアイドルの追っかけとしての物語設定をプラスしているのが「綺麗」だ。本作が売れ過ぎなかったら、作家の芽も出ただろうけど……その辺が勿体無いね。安易な売り方は名誉を傷つける。お笑い芸人が書いた良作として、赤川次郎的に「買える」出来です。

第4回本屋大賞 8位:陰日向に咲く/劇団ひとり

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 劇団ひとり

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コメント

初めまして。
二作目があり、コケているとは知りませんでした。
おっしゃられるとおり、この本は売れすぎてしまったかもしれませんね。

私は楽しく読んでいたので気付かなかったのですが、たしかに、短い話を連ねる形式は、長く書けないってことなのでしょうね。
読書慣れしてない人が読みやすいから短く区切ったと、批評家の方がおっしゃっていたので、それが理由かと思っていました。

そういう私でさえ、短く区切られるより長編の方が好きなのですから、当然ですね。

ハマの三文芝居 #- | URL | 2012/06/12 01:19 | edit

Re: ハマの三文芝居

コメント、有難うございます!

> 二作目があり、コケているとは知りませんでした。
> おっしゃられるとおり、この本は売れすぎてしまったかもしれませんね。

私も販売実数を調べたわけじゃないのですが、TVで本人もコケたと言っているし、事実話題にならなかったのでコケた感じにはなっていると思います。

> 私は楽しく読んでいたので気付かなかったのですが、たしかに、短い話を連ねる形式は、長く書けないってことなのでしょうね。
> 読書慣れしてない人が読みやすいから短く区切ったと、批評家の方がおっしゃっていたので、それが理由かと思っていました。

「読書慣れしてない人が読みやすいから短く区切った」というのは確かに聞こえはいいですが、個人的にはやはり「下手」だから書けなかったのだと思います。長く書くのはそれなりの筆力が無いと成り立ちませんし、区切り方もやや唐突ですので。もっとも内容が良ければ良いので、本作のようなセンスで勝負している作品は嫌いじゃありません。

しかしその批評家、ニセモノ臭いですね。金を握らせれば讃辞を送るタイプのような気がします。お気を付け下さい。

Medeski #- | URL | 2012/06/12 04:19 | edit

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# |  | 2012/06/15 16:10 | edit
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