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第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:調子のいい女/宇佐美游

調子のいい女
(あらすじ)
銀座ホステスvs整形キャリアOL――欲望のために二人は秘密を持った。美和子は銀座のホステスでお金を貯め、念願の留学を果たす。だが、ボストンで出会った波江は、整形で顔を塗り固めた「調子のいい女」だった。野心を抱いた二人の女の恋、人生、セックスを軸に、夜の銀座の舞台裏をダイナミックに描いた仰天のデビュー作。

answer.――― 74 点

ホスト、ホステスを題材にした創作物が2000年を前後に爆発的に出版されたのは記憶に残っているが、その理由は主にITバブルに端を発する<無いモノに値がつく>ことによって得た、文字通りのあぶく銭を、使い道分からずに水商売に流していった故の活況が、平成大不況のど真ん中で人の目を惹いたからだと思う。何にせよ、2000年の受賞作である本作もまた、ホステスを扱った作品。主要登場人物は26歳の元ホステスと、24歳の整形女―――男を騙してきた女と、男に騙されてきた女。元ホステスは整形女の「年下」の行動に過去の自分が先輩に働いていた無自覚な無礼を見て、猛省しながら、人間として成長していくストーリーライン。著者自身の経験から書かれたこともあり、「男の人って不思議ですね。お金を出すと途端に良い人になろうとするの。顔まで生き生きしちゃって」「それはね、出したお金の分、アンタに好かれようとするからよ。これが百万ぐらい取ると、今度は顔がどす黒くなってくるわ。女に執着してんるんだか、出したお金に執着してるんだか、自分でも分からなくなるの」など、ヒロインのホステス時代の話、男の転がし方が堂に入っている。前半はもたもたした元ホステスの不幸話だが、整形女を邪険に思いつつ、やがて<育てよう>という意識に切り替わる後半は見事で、あっさりと裏切られる展開を含めて読み応えがあった。文学とも取れなくはないが、やはりホステスという業種ならではの人の捉え方なので、エンターテイメント要素が強い。上述のやり取りがお気に召したならば、「金額は40万ずつ。50でも取れないことはないけど、区切りが良過ぎるの。ピリオドを打つと男は次を、代償を求めてくるから」など他にも散見出来るので、時間の浪費には繋がらないだろう。

第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:調子のいい女/宇佐美游

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 宇佐美游 小説新潮長編小説新人賞

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