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第14回電撃小説大賞 選考委員奨励賞:葉桜が来た夏/夏海公司

葉桜
(あらすじ)
アポストリ……身体能力と科学技術に優れた、女性だけで構成される異星人。目が赤い他は、外見的特徴は人間と変わらない者たち。琵琶湖周辺は彼らと人間が共存する居留区となっていた。高校二年の南方学は過去に起きた出来事からアポストリを憎んでいた。ところが、“共棲”と呼ばれる居留区のシステムに則り、一人のアポストリと同居することになる。彼女の名は、葉桜。評議長の姪でもある美しい少女だった。二人は激しくぶつかり合うが、その共棲にはある意図が隠されていて―――。

answer.――― 64 点

おそらく一点の欠点を除けば、本作が良作に数えられる質を備えているのは間違いない。しかし、それだけにその欠点が物語の都合上見過ごせないのが何とも残念な作品。あらすじにあるように、宇宙人(♀)と共棲(≠同棲)することが物語の中核となるストーリーライン。読んで早々に評価したくなるのは、文章力。居留区なんて閉鎖的な場所を用意すると、どうしても<説明>が多くなるものだが、あまりストレスを感じることもなく読み進められる。登場人物の描写も過不足なく、構成でも序盤のうちに設定への疑問、進行する謎を用意して、小出しに解決しながら、読者の注意を引いている。視点の切り替え、回想の入れ方も良い。問題は、作中での時間経過。主人公が数年来抱え込んでいたスモウレスラー級の怨恨が、二日、三日の♀との共棲で「……フン(俺、お前らのこと嫌いじゃないぜ?)」とあっさりと手の平を返す作者との八百長は目に余りある。序盤から恨みつらみが演出出来ていただけに見過ごせない。一巻でオチをつけなければならない投稿作と云えども、展開的には主人公は本作の時点では最後までアポストリへの怨恨を消さなくて良かったと思う。シリーズ全5巻という適度に続刊する事実が示すように、そこそこに楽しめるものではある。とどのつまり、勿体無い作品だ。

第14回電撃小説大賞 選考委員奨励賞:葉桜が来た夏/夏海公司

category: な行の作家

tag: 電撃小説大賞選考委員奨励賞 OPEN 60点 夏海公司

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