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角川文庫:推定少女/桜庭一樹

推定少女
Ending Ⅰ 放浪
Ending Ⅱ 戦場
Ending Ⅲ 安全装置

answer.――― 50 点

作家に限らず、すべての創作家が創作に臨む上でまず手に入れなければならないものがある―――「確信」。本作にはそんな「確信」が無い。それは何も、エンディングが三つ用意してあるから言及している訳ではない。幾ら頁をめくっても、読んだ万人が印象に残る「決め」の場面が訪れないからだ。アドリブ的に書き進めた手探りの作品、本作にはそんな印象を終始抱いた。冒頭、父親を事故で射て逃亡するヒロインはダストシュートに逃げ込み、そこで拳銃を手に硬直した裸の女に「出会う」。ここまでは良い。著者自身もこの「起」に関しては狙って描いたことだろう。問題は、そこから先だ。二人は逃亡する、裸の女は記憶を失っているらしい、TVではUFOが墜落したという報道が流れる、ヒロインはふと精神病棟から逃げ出した患者の話を思い出す、また、拉致された女の事件を思い出す、……それらの内容はショッキング、ではある。しかし、いつまでもストーリーと結びつかない。まるで物語が進まないために、読者の注意を惹こうとその場その場のアイディアを挟んでいるかのように。思春期の不安を描いている、と各レヴューサイトはまとめているが、それは桜庭一樹の文章力に騙されているだけだ。拙い文章で本作と同じ内容が描かれたとき、きっと同じ感想にはならないだろう。ただただ、不安定な物語。それが本作である。本作はライトノベルとして2004年にファミ通文庫で出版された後、2008年に角川文庫でエンディングを追記して再出版された。画像はその角川文庫のものを使用。もっとも、たとえ桜庭一樹ファンであろうと、本作に関しては読む必要を感じないが。

角川文庫:推定少女/桜庭一樹 (2004)

category: さ行の作家

tag: OPEN 50点 桜庭一樹

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