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富士見ファンタジア文庫:BLACK BLOOD BROTHERS 1 -ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸-/あざの耕平

BLACK BLOOD BROTHERS1-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸-
1.船上の吸血鬼
2.『カンパニー』の調停員
3.九龍の血統
4.満月の兄弟

answer.――― 75 点

いわゆる吸血鬼モノ。出版時期を考えれば、ちょうどゴールド・ラッシュならぬヴァンパイア・ラッシュとも云える吸血鬼ブームがいよいよ真っ盛る頃で、あざの耕平も「ここは一発……」とつるはしを担いで金脈を掘り当てに来た感があり、そして、―――見事に掘り当てた。本作に特筆すべきオリジナリティーは無い。設定には吸血鬼に付き物の『始祖』、『不死』、『血統』、『弱点』などが並ぶ。あえて目新しいと挙げるなら、ヴァンパイアの存在が世間で暗に認知されていること、香港一つを壊滅させたスケール大きな事件に関わる吸血鬼を「一」血統としていることだろうか。ただ、それで他作品と差別化出来る訳では勿論無い。では、何故に本シリーズがヴァンパイア溢れるシーンより抜き出れたのか?それは単純に台詞回しを始めとした硬軟剛柔、どちらもバランス良く演出出来る著者の筆力であり、何より著者の作家としての一番の強味と云える扱う題材への理解、勘の良さ故だ。本作終盤、それを象徴する主人公ジローの台詞を引用してみよう―――「退廃の香りがするでしょ? 吸血鬼っぽくありません?」、これである。必ずしも正解は必要では無いが、○×と云えば△!のような作家自身の『答え』が欲しいのが読者だ。吸血鬼と云えば退廃、正解不正解の是非は人に依るだろうが、自らの死を意味する台詞を笑って口にするジローの姿はまさに退廃的。芯の通った(自身の偏見)理解の為せる業である。ついでに、明らかに続巻を前提にした造りにはなっているものの、あからさまな謎で繋ぐヘタクソな演出が無いのには好感。上述の台詞で一巻を実質「〆る」逆算的なアプローチが見事でした。男性作家で第二の主人公コタロウの純真無垢さというか、あざとさを感じさせない「童」像を描けるのも何気に凄いね。

富士見ファンタジア文庫:BLACK BLOOD BROTHERS 1 -ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸-/あざの耕平 (2004)

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 あざの耕平

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