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メディアワークス文庫:ガーデン・ロスト/紅玉いづき

ガーデン・ロスト
1.春の繭
2.チョコレートブラッド
3.echo
4.ガーデン・ロスト

answer.――― 65 点

『ミミズクと夜の王』、『MAMA』、『雪蟷螂』の通称・人喰い三部作を発表した紅玉いづきが送る、メディアワークス文庫移籍・第1弾作品なのだが、石田衣良の出来損ない、そんな印象をまず受けた。というのも、レーベルのコンセプトに合わせて編んだのか、出来上がった作品にレーベルを合わせたのかは定かではないが、方法論に寄った造りで、紅玉いづき「らしさ」が希薄だったからだ。何のために舞台を現代にし、(自分にとって)何のために描いたのかが見えない。自身の作風の拡張。ファンタジー以外の題材への挑戦を狙ったのなら、とりあえずは失敗したことになる。本作執筆時点では、まだ自分の作家としての強味を理解していなかったようだ。ストーリーは、放送部に所属する“仲良し”女子高生4人のどこか脆く危うい日常を描いたもの。上記の方法論云々に言及させて貰うと、名前(あだ名)で「掴み」を取ろうとする展開だ。現代を舞台にすると、リアリティを意識する故に基本的に大それたファンタジーを自重する。すると、必然的に呼称で関心を惹こうと考える。石田衣良は基本的に全作品でソレを取り、それにセクシャルなネタを絡めてくるのが上手いのだが、著者は「エカ」「マル」「オズ」「シバ」のように捻りが無く、エピソード的にも面白味に欠けるのが残念。各登場人物が抱える後ろ暗い想いもパンチに欠け、他の作家でも代用が十分に利いてしまう。紅玉いづきしか描けない!そんなスパイスが無い。ただ、マルの自覚的な「足りなさ」、シバの360°回転の「大嫌い」はそれこそ「らしさ」もあり、片鱗を伺わせるのが救い。しかし、これでは大衆小説の物真似の域なので、劣等感に苛まれるライトノベラーのためにも、著者には引き続き精進して頂きたい。

メディアワークス文庫:ガーデン・ロスト/紅玉いづき (2010)

category: か行の作家

tag: OPEN 60点 紅玉いづき

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コメント

ありゃ…

こんにちは。
記事読ませていただきました。
ガーデン・ロスト読もうかな~と思ってたんですけど、紅玉いづきらしさが希薄なんですか…
う~ん。困った。どうしよう。( ̄。 ̄)

無様な愚か者 #- | URL | 2012/10/13 01:57 | edit

Re: 無様な愚か者

コメント、あざーす!

> ガーデン・ロスト読もうかな~と思ってたんですけど、紅玉いづきらしさが希薄なんですか…
> う~ん。困った。どうしよう。( ̄。 ̄)

いやいや、読んで上げて下さいよ。私のクソレヴューは作家が検索してイチャモンつけられてムッカー!となってせいぜいやる気出せや!というあまりに遠大なエールを考えてなくもないような気がしないでもない、とても事故満足度の高い物なのです。

真面目な話をするなら、紅玉いづき、けっこー期待していたので肩透かしを食らったのは事実です。個人的にファンタジスタだと思っていたので、現代モノを題材にしてどうファンタジックにアレンジしてくるのかなぁ……と楽しみにしていたのですが、ファンタジーが無く、ある種の等身大の実力を提示してきましたね。そういう意味では凡作だと思います。

ただ、上のように私は紅玉いづきをファンタジーとの相性が勝手に良い作家として捉えているので、期待しなければモラトリアムもありーの、の良作とも思います。が、それなら文学作品、文学もどき作品とかのほうが良いのでは?とも思うのです。

Medeski #- | URL | 2012/10/13 02:18 | edit

私はこの作品好きです。

紅玉いづきらしいかと言われればハッキリとNOて言いますけどw

にとり #X.Av9vec | URL | 2012/10/16 01:20 | edit

Re: にとり

コメント、有難うございます!

> 私はこの作品好きです
> 紅玉いづきらしいかと言われればハッキリとNOて言いますけどw

私はこれを読んで石田衣良の4Teenの点数を上げました。悪くは無いけど、もっと「らしく」書けると思うんですよね。マルなんて「おっ」と思いつつ、ありゃりゃりゃりゃ……となりましたし。白痴を書けるのってなかなか難しいので、それをどう作品に反映、変換するかを考えるべきだと思うんですが、……おっと、にとりさんは満足してるんだった。ところで、にとりさん、青春系好きみたいですね。小説なら「武士道シックスティーン」、漫画なら「S60チルドレン」、映画なら「青春デンデケデケデケ」を薦めてみます。全部有名なので既読、鑑賞済みかもしれませんが。

Medeski #- | URL | 2012/10/16 03:19 | edit
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