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角川文庫:氷菓/米澤穂信

氷菓
(あらすじ)
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。

answer.――― 63 点

青春ミステリにカテゴライズされる米澤穂信のデビュー作であり、代表シリーズ作でもある通称“古典部”シリーズの第一作。一読しての感想は、地味の一言。ミステリとしての魅力は皆無に等しく、それを期待すると、だらだらと続く謎とも云えない謎に付き合わされる感覚に陥る。実際、読んでいて満足感に浸れる瞬間は無かった。ただ、これを自分が思春期に読んだと仮定してみると感想も一転、―――興味深いものに。思春期の己に本作がもたらすのはズバリ、ありそうでありそうな日常。そこに見出すは、作品世界への親近感だ。日常とはとかく退屈なもので驚きは減り、その分だけ時間の流れも早まる。しかしそれを断ち切るヒロイン・千反田えるの「わたし、気になります」は、目の前の日常がその一言で簡単に変えられることを教えてくれる。キャラクターの造詣に特化している点は、桜庭一樹の『GOSICK -ゴシック-』シリーズを思わせる……が、ミステリのクオリティこそ優劣付け難いものの、<ヴィクトリカちゃんブヒィィ>には流石に本作の時点ではまったく対抗出来ない。本作はあくまでシリーズの第一巻、長い目で見守れなければ切り捨てるレベルの作品。一応、メインディッシュとも云える表題の謎は副題「You can't escape」を含め、機知に富んでいるので、その辺は著者の現在の活躍の片鱗を覗かせているかな。

角川文庫:氷菓/米澤穂信 (2001)

category: や行の作家

tag: OPEN 60点 米澤穂信

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