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第6回えんため大賞 優秀賞:カエルと殿下と森の魔女-緑竜亭繁盛記/橘柑子

カエルと殿下と森の魔女
1.はじまりの夜のはじまり
2.王子の大いなるあやまち
3.しきりなおしで日は暮れて
4.気づいてみれば一件落着

answer.――― 67 点

闇の森のほとりにある「緑竜亭」。そこは美味い料理に誘われて人間はもちろん人外も訪れ、喧嘩にトラブル、何でもござれ!とかしましい繁盛店。今日もまた店内は破壊され、戦う看板娘リュンは頭を悩ます。そんな時にやってきたのは身なり整った某国の王子、その懐には一匹のヒキガエルが……、なストーリーライン。深沢美潮が先頭に立ち、90年代後半には方法論を含めて確立された「よくある」コミカル・ファンタジーな本作。およそ目新しい要素は無く、中盤まではたらたらと丁寧なまでの無個性が展開し、刺激に欠けるものの、「殿下殿下、これあたしの友達」と飛竜にまたがってからのダイナミックなドタバタ劇は一転、本作が「よくある」のなかでも上質な作品であることを証明する。「転」を推し進める三章「しきりなおしで日は暮れて」での王子の許嫁ミランダ姫の存在感は一角の主人公並みで、国家論ずる台詞回しは二重丸を打てる出来。スロースタートでこそあったが、見事に挽回した印象だ。90年代前半に出版されていれば大いに将来を嘱望されただろうが、如何せん、出版されたのは2005年。著者は出版されたこと自体を喜ぶべきだろう。文章は丁寧で、一人称も堂に入っている。ライトノベルが好きな人が書いた典型的なライトノベル。そこに好感を持つ人も多いはず。例えば『七人の武器屋』シリーズが好きな人は物は試しに手にとってみても十分楽しめるだろう。

第6回えんため大賞 優秀賞:カエルと殿下と森の魔女-緑竜亭繁盛記/橘柑子

category: た行の作家

tag: えんため大賞優秀賞 OPEN 60点 橘柑子

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