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電撃文庫:MAMA/紅玉いづき


1.MAMA
2.AND

answer.――― 74 点

「大学在学中の大賞受賞」「女性作家」「挿絵のカット」「童話的な作風」……異例の話題性を持って迎えられたデビュー作「ミミズクと夜の王」からおよそ一年。確かな新鋭・紅玉いづきが贈る第二作は前作と軒を連ねるファンタジーであり、本作のこれまたおそよ一年の後に出版される第三作「雪蟷螂」と合わせ、“人喰い三部作”と称されるその第二作目となった。ストーリーは、魔術師の家系に生まれながらその才に恵まれず“落ちこぼれ”として自分の存在意義を悩む少女トトが、封印された《人喰いの魔物》を解き放ち、孤独感から魔物のMAMAとなる物語。言うなれば、おママゴトをファンタジーに変換した逸品で、作中にて二十年の月日を経過させ、姉弟、親友、恋人、そして、親子ともやはり違う、歪な関係を描く。珠玉の場面はやはりトトの庇護心溢れる契約の場面だと思うが、終盤の「キミを守るのは、ボクの役目だ」と最後までそうあり続けた魔物の姿も胸を打った。そんな図らずしも、紅玉いづきが《純粋》を描くことに長けていることを証明する好作。描写不足を嘆く向きもあるが、戦闘にしろ、葛藤にしろ、描くことで主題と遠くなることもある。そして、紅玉いづきはその属性からも技巧が足りない(必要とされないために根本的に伸びにくい)ので、むしろ空白を用いることを意識したほうが実力を発揮出来る。描写で背伸びする必要はない。ところで、あとがきにて「愛しか書けない」と自ら言及しているが、だから「MAMA」の後日談である「AND」のような宙ぶらりんな物語が出来上がってしまう。御本人には残念ながら、描けるのは「愛」ではない。それにもなりうる《純粋》だ。その認識を是正出来ないと、それこそ次のステージに行けない。

電撃文庫:MAMA/紅玉いづき (2008)

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 紅玉いづき 人喰い三部作

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