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富士見ファンタジア文庫:伝説の勇者の伝説 1.昼寝王国の野望 /鏡貴也

伝説の勇者の伝説
1.寝ぼけ男と世話女房
2.英雄、美女と邂逅す
3.終わりを告げる平穏
4.目覚め出すモノ
5.悲しい過去たち

answer.――― 66 点

職業『作家』を標榜するならば、筆の運びは巧遅ではなく、拙速を選択する他ない。しかし拙速を選択することでストーリーが剥き出しになり、「つまらない」に直結してしまうことは間々あることだ。そもそも、「面白い」物語なんてこの世界でごくわずかしか用意されていない。そこをカバーするために言葉があり、絵があり、音楽、そして、何より《設定》がある。―――《設定》、人はそれだけで楽しむことが出来る。それは例えばゲームの攻略本によくあるモンスターの説明、攻撃力などを示すパワーグラフを眺めたときを思い返して頂ければ察せられるだろう。ただ、それらはイラストなどヴィジュアルあっての楽しみ方であり、《設定》だけで楽しむ方法としては丁寧な部類に入る。では《設定》だけで、《言葉》だけで楽しむためにはどうすればいいのか?鏡貴也の代表的シリーズ作品と云える『伝説の勇者の伝説』に、その答え(の一端)はある。シリーズ刊行数は優に三十を超え、ありとあらゆるメディア・ミックスを展開する本作は、文章を含め実に手を抜いて書かれたファンタジー。にもかかわらず、売れるのは《設定》故だ。細かく分析するとしっぺ返しを食らうので、地球は青かった!的まとめ方をさせて頂くと、「無敵」「キレる」「成り上がり」「個人」「支配者」「差別」「不幸」「現実」……並べていても思うが、本当、どうしょうもねえくらいライトノベラー殺しな《設定》だな。そんなこんなで、本作、お世辞にも面白いと云えるストーリーは無い。随所に仕掛けられた《設定》が起動し、青い血流れるライトノベラーの自尊心を刺激し、心のイイネ!ボタンを押していく作品である。ふわっ……とした楽しみ方をしたいとき、職業『作家』になりたいとき、本作を手にすることをお薦めする。

富士見ファンタジア文庫:伝説の勇者の伝説 1.昼寝王国の野望 /鏡貴也 (2002)

category: か行の作家

tag: OPEN 60点 鏡貴也

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