ナマクラ!Reviews

04/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./06

第10回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:青猫の街/涼元悠一

青猫の街
(あらすじ)
友人が旧式のパソコン1台を残して消えた。神野はパソコン通信、地下BBSを駆使して友人を探索。そして辿り着いたのは、謎の地下組織「青猫」だった……インターネットという悪意の暗闇を描くサイバーノベル。

answer.――― 54 点

涼元悠一、と耳にして、ピクッ!と鋭く反応してしまうそこの貴方、……ヲタクの方ですね?ヴィジュアルノベルの奇跡『Kanon』に衝撃を受け、ビジュアルアーツに入社。そこから『AIR』、『CLANNAD』のシナリオに関わり、アンダーグラウンドでも一定以上の認知度を誇っている著者の名前が、この日本ファンタジーノベル大賞の受賞者欄に連なっている違和感は時が経っても変わることはない。むしろ、ましましに異様である。―――その頃はちょうど、WINDOWS95搭載のパソコンが飛ぶように売れていた時期だった。という作中よりの抜粋文から察せられる通り、本作は一般家庭へパソコンが爆発的に普及し始めていた時期に出版された、インターネットを題材にしたミステリー。公募賞での受賞テクニックのひとつとして【時事ネタを取り入れる】という手段があるが、ほぼ日刊イトイ新聞にて本作の選考過程での「パソコンを触ったこともないから、この作品を十全に理解した自信がない」なる及び腰の裏話が披露されているように、本作の内容は存分にマニアックである。一家に一台以上パソコンが常備されつつある現況、故にパソコン用語に多少なりとも反応出来るだろう私たちでさえ、かすりもしない単語が飛び交うのだから、当時、本作を読んだ選考委員たちはインテリの冠を放り投げて「却下、却下!」と落としたかったのはその場で見ずとも手に取るように分かる。本作の概要は、友人が失踪し、ネットを駆使して探すというもの。インターネットにおける匿名性の問題(悪意)を扱っているのはまさに先見の明ある切り口で、それだけで受賞の価値を見い出すのに十分ながら、肝心の物語……失踪した友人に迫るのが終わりも終わりというのが最大の問題点。故に、面白い瞬間は残り20頁程度なので、万が一、読む場合にはそこから読みましょう。本作は、あくまで当時の人たちのための作品。現在の人が読む価値は皆無に等しい。

第10回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:青猫の街/涼元悠一

category: さ行の作家

tag: 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞 OPEN 50点 涼元悠一

[edit]

page top

« 第10回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:ヤンのいた島/沢村凛  |  3・2・1/zilch (1998) »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/776-a965a36e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top